20081020(月)

第18回ゾウ会議

第18回ゾウ会議

ついに帰ってきました。

ゾウ会議、行ってみるとなかなか奥の深い話も聞くことができました。

今年で18回目になるこの会議ですが、ゾウの担当者の死亡事故があった園館の飼育者たちが、同じような事故を減らそうということで全国規模で情報交換をするために開催することになったそうです。

人身事故はゾウにとっても担当者にとっても不幸な結果をもたらします。とても大事な会議なのです。


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1日目は研究発表から始まります。ゾウの繁殖や飼育開始についての報告や、飼育管理上の問題、それに病気の治療、環境教育の取り組みが主な内容でした。


近年ではゾウの繁殖に成功している園館が増えています。繁殖用に施設も建て替えている園館が多いようです。今のところ、人工保育ばかりなので、自然保育の成功が課題となっているようです。
希少種なので子供の命を優先することから、なかなか自然保育にすると決めるのが難しい所ですが・・・


僕は獣医なので、ケガの治療や検査法に今回は特に注目していました。
鼻の切断、足裏の膿瘍、褥瘡等、はどこの園館でもおこりうることです。しかもその治療は数年から数十年にわたるそうで、早期治療のためにも、治療ができるようになるまでのトレーニング(足を固定したり、洗浄中も動かないように慣れさせる)が重要になります。


ターゲットトレーニングやボイストレーニング等が近年ではどの園館でも行われており、これはゾウの疾病対策、日常検査のためであるという要素が強いようです。

一時は危険防止のために一切ゾウに近づかない間接飼育(トラやライオン等と同じ方法)を徹底させる時代がありました。しかし、それでは病気になったときに治療ができず、ひどくなっていくのをだまって見ていることしかできなくなります。それを良しとしなかった飼育担当者の働きで、最近ではトレーニングをして安全性を確認した上で治療を行う、というのが主流となりつつあります。

以前は直接飼育していた経験のある担当者が入って行って無理やり治療行為をするのが多かったようですが、ゾウの担当者の交替(引退)によってそれが十分には行えなくなると危惧したことも大きな要因です。(段階の世代ってやつですね)


今回の旅行では東北の動物園をめぐり、トレーニングを見学させてもらいました。どの園でも数年間のトレーニングを続けているらしく、カルチャーショックを受けました。
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その話はまた今度です。




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