2008531(土)

「さびしんぼうよ! 永遠に」


「さびしんぼうよ! 永遠に」

第9話

A
MOVIE

私は昔中学生の頃、1羽のオカメインコを飼っていました
名前は”さびしんぼう”
それはそれは 気が優しく 美しく 素晴らしい インコでした

ある日 突然  窓の外へ飛び立ちました

そして  
2度と戻って来ませんでした
その時  心に流れていた曲が
ショパンの「別れの曲でした」
(当時 中学校の下校時間に毎日流れていたから)

・・・・・・・

だが そんな事を忘れて歳を重ねてしまいました
それで よかったのだろう
ぼくは 永久に大人にはなれなかったから・・・・

・・・さて 時が経ち いつか 僕は

大人である

大人社会に必要な何を考えているのか、解らない無表情さも身についた


そんな時    動物園に移動して来ました


そして・・・毎日の飼育の中 少年だった頃とは別の

もう一つの横顔を動物たちが見せてくれます

ご紹介しよう 今日の主役 アヒル♂の”さびしんぼう”です
                           (呼び名 比呂)

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そして もう1羽の主役 野生のマガモ♀の”へんてこな子”です

                        (呼び名 はるちゃん)
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このふたりは仲の良い兄弟のような微笑ましい姿を冬季間観る事ができました
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春  鳥たちにとって繁殖期にはいります

恋の季節です

アヒルの”比呂”が   マガモの”はるちゃん”を・・・
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僕は比呂を”さびしんぼう”と呼び 昔大好きだったオカメインコをなぜだか
思い出していました
そして”はるちゃん”は比呂ではない運命の”マガモ”に出会いました
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”比呂”ふられました
その光景には、きっと繊細で甘美な「別れの曲」が流れているのだろう
そんな光景をみなさんはなんとお考えになるのだろうか?

親愛なるフレデリック・ショパンさんへ
あなたがあの痛ましくも輝かしい19世紀の青春に
命をかけて燃やした情熱の炎は
その肉体が滅んでしまった遠い今となってもなおさらに
僕らの感情を激しく揺さぶらないではいない
・・・

おもえばこれこそが
あなたが永遠に願った
真実の恋の勝利というものではなかっただろうか
・・・
さ び し ん ぼ う よ

いつまでも

おーい  さびしんぼう!

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end


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