2012年1月9日(月)
「かわいそう」の向こう側
どうぶつ「観察日記」_6×202
1973年十月に施行された「動物の保護及び管理に関する法律」(通称「動管法」)の第7条にはこう規定されている。〈都道府県又は政令で定める市は、犬又はねこの引き取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない〉
捨てられたいぬ
捨てられたねこ
あとをたたない!
なぜ?
徘徊犬の捕獲と犬猫回収、処分を行っている二十代の技術員の話
「徘徊犬の苦情の電話を受けて、かけてきた家に行くでしょ。すると、どこそこにこんな犬がいると説明だけしてピシャッと戸を閉められる。屋敷の中に迷い込んだのを捕まえようとすると、屋敷内ではやめてくれ、外に追い出してやってくれ、でしょ。
我々が帰った後には、大体塩がまかれる。
『ありがとう。これで安心して散歩ができます』と言われたら、すごくうれしいし、励みになります。
けれど、
感謝してくれる人はほんのひと握り。それが現実です」。
言葉を添えて「いちいち腹立てたら キリないですから。そんなことの連続です。役場の人でも課が違えば、『うわぁ、かわいそう。あの人たちが殺している』って話している。それが耳に入ります。我々が優しく犬を抱き上げても鳴く犬はいます。すると『かわいそうに』でしょ。そしたらおたくが飼っていただけますかと尋ねると、いや、飼えませんと逃げます。かわいそうと言うことで、自分は優しい人間だと自己満足しているのですね」。
彼がこの仕事を始めて五年になるが、すでに何回も犬にかまれている。その体を張った労働への見返りが、
犬たちの「死」によって実現された安全や快適さを享受しながら、「かわいそう」の言葉を吐くことで、その「死」は自分と無関係と言いきかせ、心の平安を保つ。
そんな我々の自画像が浮かびあがってくる。
捨てられたいぬ
捨てられたねこ
あとをたたない!
なぜ?
徘徊犬の捕獲と犬猫回収、処分を行っている二十代の技術員の話
「徘徊犬の苦情の電話を受けて、かけてきた家に行くでしょ。すると、どこそこにこんな犬がいると説明だけしてピシャッと戸を閉められる。屋敷の中に迷い込んだのを捕まえようとすると、屋敷内ではやめてくれ、外に追い出してやってくれ、でしょ。
我々が帰った後には、大体塩がまかれる。
『ありがとう。これで安心して散歩ができます』と言われたら、すごくうれしいし、励みになります。
けれど、
感謝してくれる人はほんのひと握り。それが現実です」。
言葉を添えて「いちいち腹立てたら キリないですから。そんなことの連続です。役場の人でも課が違えば、『うわぁ、かわいそう。あの人たちが殺している』って話している。それが耳に入ります。我々が優しく犬を抱き上げても鳴く犬はいます。すると『かわいそうに』でしょ。そしたらおたくが飼っていただけますかと尋ねると、いや、飼えませんと逃げます。かわいそうと言うことで、自分は優しい人間だと自己満足しているのですね」。
彼がこの仕事を始めて五年になるが、すでに何回も犬にかまれている。その体を張った労働への見返りが、
犬たちの「死」によって実現された安全や快適さを享受しながら、「かわいそう」の言葉を吐くことで、その「死」は自分と無関係と言いきかせ、心の平安を保つ。
そんな我々の自画像が浮かびあがってくる。
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