2016211(木)

嬉しいお言葉


嬉しいお言葉

久しぶり〜の更新でございます。
こんばんわ。
飼育展示係7です。
冬期開園もあと数えるほどですね。

さてさて、先の日曜日、2月7日。氷まつり最終日。
金曜・土曜よりも多くのお客様にガイドに集まっていただきました。
いつも、ガイドはお客様とのやり取りの中でお話する内容を変えたり、写真を使ってみたりと工夫をしています。
あとは、新しく仕入れた情報はいち早く発信したり…

そんな日曜日のガイド終了後、質問があったら、聞いてくださいね。と声を賭け、しばらくチンパンジーの様子を観察していると、モジモジしながらも、女の子が「お尻が腫れているのはなんでですか?」と聞いてくれました。

「交尾が出来ますよ。発情していますよ。という合図ですよ」と伝えると、すかさず「交尾ってなに?発情ってなに?」と質問攻め。
女の子のお母さんと一緒に必死に説明していました。

その後、一度バックヤードに戻ろうとしたところ、トコトコとついてきた女の子。
私が手にしている写真気になるようで、「それなあに?見てみたい」というので、ちょっとびっくりする写真だけど大丈夫かな?と聞いて、写真を見せ、お話しました。
写真の内容は、密猟されたとおぼしき押収されたチンパンジーの肉。そして、それを焼却処分している様子の写真。
まだ小学校1年生くらいの女の子ですが、真剣に聞いてくれました。
「こんな風に、動物たちが人間に殺されちゃっているんだよ。困ったね。どうしようか。」そう声をかけると、困ったように首をかしげる女の子。
まだ、お母さんがやってくる様子がなかったので、ゾウと象牙の話もしていました。「ゾウを殺してとった象牙は日本でも使われているんだよ。お家のはんこ、もしかしたら象牙で出来てるかなぁ?」と聞いたら、「ちがうよ!」と。
「木でもはんこは作れるのにね〜」と言うとうなづいてくれたり…

そんなお話を2人でしていると、お母さんがやってきて、女の子がお母さんに報告するんですね。写真を見せてもらったの。と。
それから、お母さんにも同じ話をちょっと詳しくさせていただきました。

そして、お話の最後にお母さんからの一言が
「わたしたちに出来る事があったら言ってください。」

今まで、数多くガイドや、授業、研修など行ってきましたが、「ありがとうございます」というお声はいただく事はありましたが、「私たちに出来る事があったら言ってください」というお言葉は初めていただきました。
7年にして初めての言葉。

あまりにも嬉しくて、動転していた私は、「はい」の一言で終わらせてしまいそうに…。

すぐさま追いかけ、「是非今日聞いた話を周りの方に伝えてください!」とお願いしました。
するとお母さん、「話します。話すよね〜。」と女の子にも語りかけてくれて…。

動物園は楽しく学ぶ教育施設です。
そして、動物園は私たち人間と野生動物とをつなぐ場でもあります。
動物を見て、楽しかったね〜。で、終わるのではなく、野生動物の置かれている現実を、それらを取り巻く環境の現実を伝えるのが動物園の役割。そして、それを聞いたみなさんが周りに伝えていくことで、知らなかったことが、瞬く間に広がっていく。そんな風にして、みなさんと野生動物たちのこと、そして、地球環境のことを考えていける動物園になれれば。
そんな事を感じた、母子との出会いでした。


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