20151122(日)

ちびっこ成長中


ちびっこ成長中

かなり外が冷え込んできた帯広からこんばんわ。
旭川の方はかなり雪が積もったようですが、帯広はいつになるかしら?
長い秋がありがたい飼育展示係⑦です。

先日リスザル舎の前を通りかかった時に、担当者さんがいたのでちょっとお話を聞きました。

9月に生まれたおチビさん。
なんと、乳母がいるんだとか!!

乳母と言っても授乳はちゃんと母が行っているようです。
乳母というより子守りなのかな?
おチビさんを母じゃない、決まったメスが背負っているんだそうです。

群れ社会ならではですよね。

そんな話を聞いた後、ちょいちょい覗いていると

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これは母ちゃんか?乳母か?


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お?

降りるらしい…



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君はどこへ行くんだ????


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自分の可愛さをアピールしに来たのか????




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生まれて2ヶ月。
結構動き回るようになっていました。
みんなに揉まれてもへっちゃらな顔をしています。

うんうん。
健やかに育てよ!




12月5日から冬期開園が始まります。
皆さん、リスザルのおチビさんにも会いにきてくださいね。

リスザル・マンドリル・チンパンジーがいる新サル舎はの観覧通路は比較的暖かいですよ〜♪


この記事のURL2015-11-22 21:31:35

20151121(土)

閉園中の動物園


閉園中の動物園

今日はちびっこふぁーむの大掃除にカンガルーの保定のお手伝い。
普段使わない筋肉を使ってしまった飼育展示係⑦です。

こんばんわ(2回目)

天気予報では今晩雪のようですが、どうなることやら…
つもらなきゃいいんだけど…


しっかりと冬に向かって突き進んでいる帯広。

11月には恒例の動物分担替えがあります。
違うか?恒例なのはシフト替えか…?

それに伴って多少の担当動物の変更や、副担当替えがあります。



昨日から新体制がスタートしまして、久しぶりにご対面したのがカバのダイちゃん♪

動物園に入って7年目。
最近になって、ようやくダイちゃんがわかってきた感じがします。
ダイちゃんが動かなくて困る…ということはあまり無くなったかな?
きっと、こちらの意とするタイミングで動いてくれないから困るんです。
彼のタイミングに私があわせられるようになると、あんまり難しくないなぁと。

もしかすると、ともに年をとったせいもあるかもしれませんが…。



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寒さが大嫌いなダイちゃんですが、今年はまだ暖かいからか、元気もりもり。
食欲ばっちり。
動きもまずまず。
外にも出てくれる。
という感じです。


でも、やっぱり衰えは隠せず、
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エサを食べる姿を見ていると、年をとったなぁと感じます。
カバの食べ方なのでしょうがないのですが、以前に比べるとこぼす量が増えたかな・・・?


何しろ国内で2番目の高齢カバ。
オスなら最高齢です。
老いる事は止められないので、少しでも長く元気に暮らしてもらえるよう、細心の注意を払ってこの冬を乗り越えてもらいましょう!

これから宜しくね〜、ダイちゃん!


この記事のURL2015-11-21 00:09:35

20151120(金)

餌付け問題


餌付け問題

国立科学博物館で受けた研修ボケがまだ抜けない飼育展示係⑦です。こんばんわ。
お腹いっぱいに情報を詰め込んできたので、消化に時間がかかっております。

園内の様子、動物たちの様子もお伝えしたいところですが、今日はその前に目の痛いというか、耳の痛いお話かもしれません。

お付き合い頂ければ幸いです。





という事でTOPはエゾリスのお尻です。

おびひろ動物園を含む緑ヶ丘公園は非常にエゾリスの生息数が多い、珍しい環境です。
それゆえ、多くの愛好家の方が撮影に訪れるほど…。


園内でも野生のエゾリスを目撃される方も多いかと思います。

本来であれば、その姿が見られるだけで「おぉ〜!」と呼べるような存在。
毎日仕事していると、ぶーぶーと文句言いながら?追いかけっこしている姿もよく見かけます。



しかし、一昨日の朝に私は目撃してしまいました。

袋から何かを取り出し、エサを与えようとしているおじさんを…


注意したかったけれども、おじさんはフェンスの向こう、私はこっち。しかも結構距離がある…


幸い、エゾリスから逃げていきましたが、残念がるおじさん。



朝からそんな姿を目撃し、注意に走れなかった自分のふがいなさと、相変わらず減らないエゾリスへの餌付け行動にヤキモキしていたところ、


タイミングよく、FBでこちらの記事を拝見しました。
エゾリスの会外部リンク

記事を書いた方からお聞きすると、なんと今では公園内でエゾリスが交通事故の被害にあっていると…。

動物園前の八千代線でも車に轢かれているエゾリスが時々います。
なにも、道路を渡らなくたって生活できるはずなのに、なぜかあの大きな道路を横断しようとしている…。

もともとは森や林で生活する動物。
今でこそ、こんな市街地にも生息していますが、こんなにどこでもかしこでも見られる動物ではないんです。


そこで、公園内をよく走っている方に伺うと、餌付けをしようとする年配の方をよく目撃するとおっしゃっていました。
自分の手からエサを与えようとする。
エサ台にエサを置いて呼ぼうとする。
エゾリスも人を恐れなくなる。
下手すると近寄ってくることもあるとか…

野生動物にエサを与えるという事は↑のリンク先にもわかりやすく書かれています。
ぜひ読んで見てください。

以前、知床のヒグマにエサを与える観光客が問題になってニュースになっていました。(まだまだこの問題も完全に無くなってはいません)
野生動物にエサを与える事は、彼らの命を奪う事になる事を理解して欲しいのです。
(もちろん、それ以外にも影響はたくさんあります)

野生動物は自分の力で生きて行く事が出来ます。
エゾリスにクルミをあげなくても、彼らは自分でクルミを見つけています。
しかも、あちこちに埋めまくっています。

にも関わらず、あちこちからクルミが持ち込まれ、埋めたエゾリスは掘り返すの忘れたのか、やめたのか…


それゆえ、公園内にはほんとにクルミの木があちこちで芽生えています。

園内も同様です。

気づけば根付く前に引っこ抜いていますが、それも2、3年クラスになると抜く事すら難しくなります…。
そうなると、年に1、2回伸びてきた木を切るしかなくなります。


エゾリスへの餌付けによって、公園内の植生にまで影響が出てきているんです。


動物が、人間の手からエサを食べる。
個人にとっては楽しみかもしれません。

ですが、個人の楽しみの為に動物が犠牲になるのがいいのでしょうか。
個人の楽しみのために自然環境が変容して行くのがいいのでしょうか。

今一度、餌付けが与える影響を考えていただきたいのです。

餌付けの問題はアザラシやキツネ、アライグマなどのスポットガイドでもお話しています。(ガイド者によって話のネタは異なります。私がガイドする場合は盛り込むようにしています。)動物園にお越しの際は、ぜひ聞いていただければと思います。








さてさて、次回は、明るく閉園中の様子をお知らせしますね。


この記事のURL2015-11-20 23:47:14

2015119(月)

10月のトークカフェの様子


10月のトークカフェの様子

本日より研修のため上京してきた飼育展示係⑦です。
こんにちわ。
昨日は雪が降った帯広からやってきた私としては、あり得ない暖かさに驚きが隠せません!!
羽織っているシャツをまくっているのに、周りを行き交う人はコートを着ている…。
衝撃です。


という事で、この後から始まる研修でクタクタになる前に、先月のおびZooトークカフェの様子をお伝えします。

カフェということですので、お茶をのみながらお話しましょ。という企画。
第6弾。

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今回も動物園協会の皆さんにご協力を頂きました。
ボランティアさんの支えもあり、運営がスムーズにいきます
感謝感謝です。
受付で済ませると、飲み物を受け取ります。
どうもですね、珈琲が人気という事がわかってきました。
紅茶派は少ないですね。



そして、本題。
今回はなんと!!ゲストスピーカーとしてコンゴ共和国からお客様をお招きいたしました!

チンパンジーの観覧通路における写真展示にもご協力をいただいたWCSコンゴ共和国の西原智昭さんです。

テーマは「アフリカの野生動物のお話-動物好きから地球環境保全家に変身!-」

主にマルミミゾウの話を中心に環境保全に関するお話、そして私たちが出来る事についてお話を頂きました。


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マルミミゾウとサバンナゾウの違い…
全然違うんですよね。
たしか、釧路市動物園で飼育されていたゾウがマルミミだったはず…
亡くなる前に見ておくべきだったと思いました。
(追記:マルミミは旭山動物園のナナさんでした!!ご指摘ありがとうございました☆)

そして、象牙目的の密猟のお話も伺いました。

日本には象牙を利用する文化があります。
古くは平安時代には持ち込まれていたような…
もしかすると、もっと前からも持ち込まれていたのかもしれません。
しかし、昔とは桁外れの勢いで象牙目的で殺されるゾウが増えている…。
これは、日本とは遠く離れたアフリカの出来事と傍観していられない。そう思いました。

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そして、ゾウだけではなく、ゾウが暮らす環境をまるっこ整っていなければゾウを守る事もできない。
そして、ゾウが暮らす環境を守れれば、それはイコール他の動植物も守る事につながるんです。
何か突出した事をすれば、そのひずみはどこかで生じる。
何事もバランス良くですよね。

保全や保護、愛護といった言葉の整理も教えていただき、伝える側としては、とても勉強になりました。


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質問コーナーでは数多くの質問が寄せられました。
現地で実際に活動されている西原さんの講演という事で、学生さんの参加もあり、将来を担う世代にも関心を持ってもらえたようです。


最後に、西原さんからのメッセージで強く印象に残った事をご紹介します。

動物園が行う環境保全教育は何か。
その1つに発信して行くことだとおっしゃっていました。
確かに、動物に興味を持ってもらう発信の仕方もありますが、動物園が何のために存在しているのかと考えると、そこには野生で暮らしている動物たちの事は無視できない。
だからこそ、動物園を通じて野生動物の現状、そして彼らを取り巻く環境の現状を伝えていく事が大切な事だと再認識いたしました。

更に印象的だったのが、それを目にした、耳にした来園者も周りに発信して行く事が大切だと。
環境保全活動とは、何かを実践する以外にも、伝えるという活動があるのだ!という事を感じさせていただきました。

これらかも一生懸命「情報発信」に努めて行きたいと思いますので、皆さんも一緒にがんばりましょう。

…ブログでも時々、真面目な話をして行こう…
そう思いました。


この記事のURL2015-11-09 12:38:24

2015112(月)

シンポジウム「北と南の先住民の自然観」終わりました


シンポジウム「北と南の先住民の自然観」終わりました

今日は晴れると聞いたのに・・・
気温も上がると聞いたのに・・・

思いのほか寒くてがっかりしている飼育展示係7です。

お昼のチンパンジーのガイドを外で実施しようかと思いましたが、彼らもすっかり冷え切っているようなので、早々に屋内展示室に収容し、室内でガイドしました。

不意をつかれて、お部屋に戻るルートを間違え、いつまでも開かない扉の前で待つプヨたまw

珍しく出遅れました。





そんな寒い帯広から、先日開催したシンポジウムの様子をお伝えします。




今回のシンポジウム、開催のきっかけは今年のチンパンジー舎での写真展にご協力いただいたWCSコンゴ共和国の西原さんとの出会いでした。

アフリカ熱帯林で暮らす森の先住民のお話を聞きながら、北海道の先住民アイヌ民族との相違点などが気になりだしたんです。
西原さん自身も、北海道に来られた際に白老町にあるアイヌ民族博物館に行かれたとのこと。
いろいろとお話をさせていただくうちに、これは何か共通の話題があるのでは?!と開催を企画したのでありました。

幸い?以前勤務していた帯広百年記念館にはアイヌ文化の学芸員がいた(過去形?! 現在は文化庁に移られました・・・)ので、その方にもお願いして、シンポジウムを開催したい!と

かなりGoing My Wayで突っ走りましたが、


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左奥からアイヌ文化の自然観を紹介していただいた文化庁の内田先生。
右にアフリカ熱帯林の先住民について紹介していただいたWCSコンゴ共和国の西原先生。
そして、左手前にはコーディネーターを無茶振りした帯広大谷短期大学の岡庭先生。(岡庭先生はアラスカの先住民について研究されている文化人類学者です)


当日までメールで打合せを行いながら、初めての試みのため、準備が後手後手になる中、ついに講師の先生方の顔合わせ!

実は、この時点で満足している私・・・


それではだめなんですけどね。
それくらい当日を迎えられたのがうれしかったんです。


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3人の先生たちは、シンポジウム開始直前まで会場前で念入りに打合せ。
パネルディスカッションでどのような方向に話をしていくか、検討していたようです。


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そして、帯広百年記念館館長の挨拶からついにシンポジウムスタート!
(今回は動物園×百年記念館×図書館による主催事業です)


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まずは、西原さんからのアフリカ熱帯林の先住民について紹介してただきました。
アフリカ熱帯林とはどのような環境かを動画を通じて見せていただき、動物とのかかわり、植物とのかかわりなどを教えていただきました。
そして、彼らの伝統文化の継承が困難な事態に陥っていることも・・・
文化が無くなっていくという、現在進行形の問題をどうして行くのか。

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内田さんからは2020年に開館予定の国立のアイヌ文化博物館(仮称)の紹介とアイヌ文化にける自然観についてお話を頂きました。
私としては、新しい国立博物館の展示という部分で、学芸員としても勉強勉強。

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最後には、短い時間ではありましたが、岡庭先生コーディネートによるパネルディスカッションを行いました。

2つの先住民、地理的にはとても離れてはいますが、自然とともに暮らしていることは共通であり、そして、彼らのたどっている道が、時をずらして同じ行程を歩んでいるように見えてならない。そんな思いでした。
一方では、まったく違う面もあり、とても興味深く聞き入ってしまいました。

アフリカ熱帯林の先住民は平等主義ゆえに、現在失われつつある伝統文化を残していこう!という声を上げにくい現状。しかし、個々人では今の失われつつある現状には満足していないとのこと。
そして、アイヌの人びとは、次第に自分たちの伝統文化に誇りを持つようになったという経緯。とはいえ、地域によってはそれを継承していくのが難しいところもあるそうです。
さぁ、この貴重な文化をどうやって残していくことが出来るのか。
そして、わたしたちに出来ることは何があるのか。
どちらも、持続可能な社会の実現には欠かすことの出来ない伝統的文化があります。
今、まだ可能性があるときに継続していくことの大切さ。

一度無くなってしまったものは簡単には戻りません。
しかも、無くなる前とまったく同じものにはなりません。
それは、文化も動物も同じ。
私はそう思います。
絶滅した動物は戻らない。
失われた文化を取り戻すのは難しい。
だからこそ、どちらも今こそ、手を打つ時なんだろう。

このシンポジウムを開催しながら、地球規模での危機感を改めて感じたのでした。

興味のある方は、お声かけ下さい。
後日報告書をまとめてみようか・・・勝手に考えているところですw


最後にこのシンポジウムにご協力いただいた3名の先生に心よりお礼申し上げます。
私の強引なお願いを引き受けていただき、本当に感謝の思いでいっぱいです。
そして、可能であれば次回に繋げていきたいな・・・。
それまでに私も勉強することが盛りだくさんです!


・・・がんばろ・・・


この記事のURL2015-11-02 17:16:39

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