200733(土)

住宅と農業と温暖化

農業×10

 今年は、帯広の観測史上最も「気温が下がらない冬」だったことになるそうだ。例年だと雪になる気圧配置でも今年は雨。原因は、地球温暖化ということだが、帯広の場合、この75年間で26日も冬日(最低気温0度以下)が減って、いわば冬が1カ月も短くなった換算。

 今後もこの気象傾向が続くとなれば、この影響は住宅業界やユーザーにどんな波及を及ぼすのだろうか。
 ひとつには、凍結深度が深まらず暖かいということで、大工仕事がスムーズに流れやすくなることが考えられる。その結果、作業工程に余裕ができて安全管理面でのプラスの要因が働くかもしれない。でも逆に気温上昇で雨が多発し、建築スケジュールに支障をきたすかもしれない。
 ユーザーにとってはどうなのだろうか。雪解けが早くなり、家を持ちたいという気分的な前倒しのきっかけになるのか。
 どちらにしても住宅着工に及ぼす影響は、あまりないような気がするが。

 しかし、十勝農業にとっては大問題だ。気温上昇で土壌微生物相は単純化、大雨が多発し、表土が流失、病害虫の越冬可能地域が北上し、雑草も増える。

 温暖化対策には、住宅の質向上は必要不可欠。「ローエネルギーコストの住宅を建てることによって、農業被害を守っていきましょう」と、無理やりの結論に導いてしまいましたが、これからは、個人の意識の持ちようが経済活動に多大なる影響を与えてしまうという自覚が大切なのではないでしょうか。






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代表:帯広畜産大学卒、十勝の農協へ就職。その後新聞社に転職、2006年独立起業。デベロッパーも手がけ、産直の立ち上げにも関わる。今は無農薬での農園経営に魅了される。




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