パソコン修理(33)


2006830(水)

業者の良心どこにあるの?


もうかれこれ1年以上前の事なのですが
私の前の記事の市川さんのコメントで思い出してしまった話です。

「インターネットに繋がらなくなったけど見てもらえます?」
困った様子の女性から電話が来た。
今まで繋がっていたのに急に繋がらなくなった場合、電話だけで解決することも
多いのだが今回は訪問しなければ直りそうもない。
実際に訪問してみると、どうしてかルータの設定が初期化され工場出荷状態に
なっている。
プロバイダの設定用紙をお借りして5分ほどで設定完了。
無事インターネットも繋がった。

早く終わったので電話をいただいた奥さんと雑談。
どんなPCも直せますよって話になったとき奥さんが
「これの前のパソコンが動かなくなって他の業者さんに見て貰ったら、これはもう直らないから新しいのを買わなきゃダメだと勧められたので買ったんです。前のパソコン捨てようと思ったけれど、捨てるにもお金がかかるのでそのままにしてあるので見てもらえます?」
「はい見てみましょう」

持ってこられたPCはまだ十分現役のデスクトップ
ディスプレイ、キーボード、マウス、電源ケーブルつないで電源ON
あら、起動画面出るではないですか。
Biosに入ってみるとハードディスクを認識していない。
一旦電源落として蓋を外し内部点検。
ケーブル類はOK テスタでハードディスクの電源コネクタの電圧計ると
5Vも12Vもちゃんと来ている。
いつも持っているノート用の2.5インチのハードディスクに変換コネクタ付けて
デスクトップに接続。電源ON
Biosに入ってみると今付けたハードディスクをちゃんと認識している。
「奥さん・・・これ確かに壊れてはいますが修理可能ですよ。消耗品のハードディスクがダメになっているだけでこれを交換すればちゃんと動くはずです。」
驚いた顔の奥さん
「直るんですか?おいくらくらいかかるんですか?」
「部品代が1万円前後。交換工賃とリカバリの技術料入れても1万6~7千円くらい
で納まると思います」
「えっ!そんな金額で直るんですか??じゃ直らないって言った業者さんは・・」
「同業者の方はあまり批判したくはないですが、正直なところ直す技術よりも売る
技術の方が優秀のようですね」
「実は来て貰ったときにプリンタも印刷できなくて見てもらったら、プリンタも壊れていると言われたので買い換えました。それも見て貰えます?」
そう言って奥さんが持ってきたのは某社のプリンタ。
つないで印刷してみると確かに印刷できない。しかし・・・
「奥さん。これ壊れていません。インクがないだけです」
某社の少し前のプリンタはインクが無くなると一切印刷できなくなる。
修理業者としては知っていて当たり前の知識。
奥さんの顔色が変わったのは言うまでもない。
同じ業種に携わるものとしても少々暗澹たる気持ちになった。
こんな商売やってると必ずどこかで大きなしっぺ返しが来るのにと
感じさせられた一件でした。

壊れていたデスクトップはハードディスク交換で無事現役復帰し
札内のシニアの方のところへお嫁入りしていきました。





2006830(水)

メモリ増設の落とし穴 その2


部屋を移動した際に、ノートパソコンの入ったバッグをどのように
扱ったか不明なので、出す言葉も自然と悲観的になる。

「Biosも立ち上がらずハードディスクにアクセスもしません」
「・・・」
「マザーボード関係の障害であることは間違いないのですが
 ハードディスクも物理的に壊れている可能性があります」
「・・・」
「その場合はデータの救出はかなり困難になります」
「そんな・・・何とかならないのですか?」
「ハードディスクが大丈夫ならPCから取り出してデータ救出します」
「そう言えば、僕のPCのハードディスクちょっと特殊って言ってた」
「えっ??」

このノートブック、東芝Dynabook AX/740LSという機種。
特殊という言葉に内心冷や冷やしながら心の中で
「1.8インチはB5ノートだけだった筈。一体どんな??」
ハードディスクを取り出す作業にかかる。
蓋を外してみるとごく一般的な2.5インチハードディスク
取り出してコネクタ見て納得。
一般的なATAではなく最近多くなってきたSATA規格のハードディスクだった。
でもなぁ5400回転のSATAだったらなんのメリットもないよ。東芝さん。

「これなら大丈夫です。変換してデータ救出できます。ただしハードディスクが
 物理的に壊れていないという条件付きになりますが」
「うーんしょうがないですね・・・会社になんて言い訳しよう・・・
 パソコンの方はどうしたらいいでしょうか?」
「今日私が持って帰って出来る限りやってみます。ダメなら保証期間内でもあるし
 メーカー送りにするのが費用もかからなくて良いと思います」
こんなやりとりがあって家に持って帰ってきた。

帰ってから東芝のHPでこのノートのスペック確認。
Celeron M 360、80GBハードディスク、512MBメモリ
最初から512MBのメモリ積んでいるのはいいですね
それでは分解開始。
まず外せる物はすべて外していくのが鉄則。
バッテリー、ハードディスク、メモリと順番に・・・
メモリを外そうと蓋を開けて
「おっメモリ増設してらぁ。1GB積んでるぞ。やりますなぁ
 ありゃりゃ・・・犯人発見かな?」

元々積んであった512MBのメモリの他にもう1枚512MB増設していた。
ノートのメモリはコネクタに差し込んでメモリの両側の切り欠きにコネクタの
バネ部分がパチッとはまるのが正解。
しかし、この増設したメモリ、片側はちゃんと入っているが反対側は浮いている。

画像

難しい話になるが、PCの電源をONするとまずマザーボードのBiosの
自己診断が働く、問題がなければ通常ハードディスクにあるMBRをメモリに
ロードしてMBR上のプログラムを動かし起動画面が出てくるという順番になる
今回の場合Biosの自己診断でNGが出てしまい(メモリおかしいぞという)
起動画面も出てこないと推測できる。
念のためメモリを一旦取り外し、再度きちんと装着した。

ハードディスクを取り付け電源ON
無事起動画面が出てきてXP起動。

今回の場合、コネクタのバネがゆるんでいるわけでもないので
増設したときにきちんと両側の切り欠きにはめ込んでいなかったのが原因。
たまたま動いていたのだが、振動等でだんだん浮き上がり
PCの方で「オラもう我慢できん。ストライキやったるべ」
とすねてしまったんでしょう。
ただ、今回のまったく起動しなくなる前にも何らかの異常は出ていたはずなので
ハードディスクの完全チェックをやってみた。
案の定けっこうな量の修正があった。

結果、不幸中の幸いで費用も再安値で修理できたので喜ばれた次第。
持ち主の
「おかげで助かりました。一時はどうしようかと青くなりましたが
 今後は後悔先に立たずにならないように帰ったらすぐバックアップします」
と言ってくれた言葉が嬉しかった



2006829(火)

メモリー増設の落とし穴 その1


夜も遅くなって家でのんびりしていたら
市内某ホテルのマネージャーからSOS
「お客様のPCが立ち上がらなくなってしまったんです」

このホテルは客室にBフレッツを引き込んであり
特にビジネス客に好評なのだが
連泊の件の客の部屋移動で荷物を移したところ
客が帰ってきて、PCの電源を入れても起動しなくなったということらしい

かけつけてお客の部屋へ行ってみると
すっかりしょげかえった男性が一人。
「バックアップ取ってないんですよ・・・」
「十数年分のデータが・・・会社辞めちゃおうかな・・・」
穏やかじゃないですよね その気持ちはわかりますが
「何とかデータだけでも助けてください。お願いします」
修理する側としては最悪のケースも想定して話さざるを得ない。
しかし、まだどんな状態かもわからないのだ。

とりあえず電源ON
電源ランプ点灯 よし!
数秒で電源ランプ消灯 だめだ・・・
そのままにしていると電源ON電源OFFを数秒間隔で繰り返す。
勿論Bios画面までも行き着かない。
心の中では「ヤバいぞ、最悪マザーボード逝ってるかな」

               その2へ続く



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