ネットオークションで入手した山岳古書の中に伊藤秀五郎の「北の山」があった。梓書房で昭和10年(1935)の出版だ。正と続があるようだ。
これは覆刻版なので状態は非常に良く 袋とじのページをペーパーナイフで切りながら読んでいくスタイルだ。
著者は北大山岳部の初期メンバーで 北海道の教育長も務めた人物だ。この本には石狩岳・ニペソツ山・日高山脈・沢・峠・北千島などが含まれ 何れも興味深い。ただ Amazonのある書評では「記録が主で読んでもあまり面白くない」というのもあったが あんまりの言い分だ。
裏表紙を見ると 大島亮吉に捧げられているが 素晴らしいのは「装丁と挿絵を坂本直行氏が担当」していることだ。確かに表紙のデザインに直行さんの特徴が良く出ている。同じ山岳部の関係で担当したのだろう。
挿絵は8点ほどあり ほとんど日高山脈や大雪山系のようだ。これは「初夏のカムイエクウチカウシ山」
「ラッコ岳」
「五月の十勝岳」
ネット検索したら 千円位から入手出来るようだし この本を「直行さんの画文集」として楽しむのもアリだろう。おススメだ。