茨城の笠間焼は古くから「生活陶器」として有名で その代表は茶色で厚手の甕(かめ)だ。もちろん現在は多種多様なバリエーションがある。
笠間に行くと必ず訪れるのは「製陶ふくだ」だ。名前からは工房というよりは工場の感じがするが 生活陶器を作るという意味が含まれているのだろう。
この工房はJR笠間駅や陶芸センターから見ると南側のややわかり辛い場所にある。曲がりくねった道は旧街道で そう言われると歴史を感じる。表に面した塀はよく見ると陶板の絵になっている。
中庭には巨大なカメが飾ってある。高さはゆうに3mはあるので これを焼くにはかなり大きい窯が必要だろう。
展示室・ショップの入口だ。内部は撮影禁止だが かなり楽しい。運が良ければ5代目の親方が相手をしてくれる。
裏手には登り窯がある。
現在は生産量が多くはないのでこの大型の窯は休止中だそうだ。
今回はやや大きめのマグカップとやや小さめの抹茶碗の2点を購入した。選んだ理由は 厚手で釉薬も伝統的笠間焼きらしいと思ったためだ。値段は千円程度だった。
裏側や高台を見ると土の感じが良くわかる。ただし親方が言うには「陶芸では一つの産地の土ではなく 色々な所の土を経験に応じて混ぜるんだそうだ。」。
この窯の由来と現代の狙いを述べた書付を頂いた。5代目のご主人の心意気が語られている。笠間焼に興味を持たれたら訪問されることをおススメする。