昨年「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に認定された。札幌から一番近いのは千歳市の「キウス周堤墓群」なので 6/20に行ってみた。場所は道東道・千歳東から国道337だ。
駐車場の奥は仮事務所・案内所で 模型やパネル展示がある。令和5年には展示施設が建設される予定とのこと。
担当者(千歳市職員)に説明頂いた。
最初に聞かれたのは 「シュウテイボって何だと思います?」
「環状集落ですか?」
「いや 昔は戦いの砦として文化財指定されたが その後の発掘でお墓とわかり 再指定されました」 云々。
この写真は最近作られた地形モデルだ。明治期に道路 (現在の国道337号) を作る時 この遺跡の真ん中を通してしまった。今なら遺跡調査ですぐに工事は止まるだろうが 当時はそんなことは目じゃなかったのだろう。ある意味で明治期の開拓の力強さに驚く。無茶苦茶の力任せだ。
遺跡は駐車場の北側の森の中だが 入り口に世界遺産の看板があった。また無料のツアーガイドもあるそうだが(10時から15時で30分ほど) 訪ねた時間が合わず残念だった。
2号周堤墓は一番深いとのことで のぞいてみた。直径は80m位 中心からの高さは5m位だそうだ。
1号墓にはブルーシートが張られていたので発掘作業かも知れない。何れも木立の中は気持ちが良く 散策にもなる。
世界遺産に指定された縄文遺跡群は17か所からなるが このキウス遺跡は一番北にある。
縄文文化は1万年以上続いたらしいが キウス遺跡は最後の方に位置づけられ 約3200年前とのこと。「まてよ アイヌ文化とどう関係する?」と気になった。伺うと「アイヌ文化が出て来るのは約800年前」とのこと。これには驚いた。アイヌ文化はごく最近なのだ(鎌倉時代相当)。
北海道には弥生文化が無かったらしい。自分は「アイヌ民族は北海道の先住民族としてズ~ッと続いて来た」と漠然と思っていた。しかし 歴史的にかなり新しいとすると「縄文人との関係はどうなの?」単に自分の無知なのかもしれないが 北海道の民族・文化の歴史はとても興味深い。是非訪問するべき場所だろう。収穫は多い。