昔の写真の発掘で 二頭目のジャーマンシェパード「シェル」の写真が出て来た。
2005年頃 一頭目のシェパード「シュバ」がガンで亡くなり その後継を南区北の沢の「牧警察犬訓練所」の牧十郎さんに再度お願いしたら たまたま犬舎にいた1歳のメスを譲り受けた。牧さんは「恰好はコンテストに出るくらい立派なんだが 訓練が効かないんだよ」「犬は長く付き合うので 焦らない方がいいよ」と言われた。美形だし 一頭目のペットロスを早く解決したい思いがあり とにかく養子に迎えた。久々に犬散歩をしたらすぐに愛情が湧き心配は杞憂だった。
シェパードは1歳までに急激に成長して2歳で出産適齢期になるそうだ。大きめのメスだったので体重は40kgに近く 散歩の引きも強いので体力が要った。1頭目とは色も顔つきもかなり違い戸惑ったが 性格はやんちゃで Schelmisch (シェルミッシュ・やんちゃ)で名前を「シェル」にした。
当時は3x4mのケージ(高さ1.5m)の中に犬小屋を置き 冬でも外飼いだった。郊外の住宅地なのでどこも庭にゆとりがあり 犬を飼っているお宅も多かった。シェルはケージに張り付いてうるさく吠える時もあったが 幸いご近所からの苦情は出なかった。不在時の餌ヤリを引き受けて頂いたぐらいだ。散歩は私が隣の公園や石狩川の河川敷へ連れて行き 時間がない時には深夜散歩になった時もある。
シェルの思い出は二度の脱走だ。一度目は 私の出張が続き散歩不足でストレスがたまったためと思う。積雪で地面が上がるとケージを簡単に越えれてしまう。真っ青になって近所を探し回った。歩道でご婦人に聞いたら「とぼとぼ向こうに歩いていきましたよ」 「吠えませんでしたか?」と伺ったら「大丈夫でした」とのこと。その方向に行くと 向こうからとぼとぼと歩いてきた。首を垂れて上目遣いで「ゴメンなさい」と言っていたに違いない。この姿にジンとしてしまったが 全く私の責任だった。
二度目も散歩不足の結果と思う。この時は1時間位あちこち探しても見つからず あきらめかけていたら 向こうから知り合いの若者にリードを引かれて帰って来た。「どこにいましたか?」と聞いたら「○○公園でブラブラしていたのでお宅の犬と思い連れて来た」とのこと。こんな犬が公園にいたら 皆さんびっくりするし 万一の人身事故にもなりかねない。飼い主の責任を痛感した。
このシェルは6歳の頃 私の出張中に腸ねん転で死んでしまった。車に乗せて動物病院に運び込んだ家内にはひどく怒られたし シェルにもすまないことをした。この頃の自分は仕事が立て込んで精神的にも余裕がなかった。今でも胸が痛む。