200978(水)

「ゴールデンスランバー」~伊坂作品の集大成

読む×33

本書は「伊坂幸太郎的に娯楽小説に徹したらどうなるか」
という発想から生まれた、直球勝負のエンターテイメント大作。
冴え渡る伏線、忘れがたい会話、時間を操る構成力・・・・、
すべてのエッセンスを詰め込んだ、伊坂小説の集大成である。
「ゴールデンスランバー」~伊坂作品の集大成

仙台での凱旋パレード中、突如爆発が起こり、新首相が死亡した。同じ頃、元宅配ドライバーの青柳は、旧友に「大きな謀略に巻き込まれているから逃げろ」と促される。折しも現れた警官は、あっさりと拳銃を発砲した。どうやら、首相暗殺犯の濡れ衣を着せられているようだ。この巨大な陰謀から、果たして逃げ切ることはできるのか?


さきほど、読み終わりました。

伊坂幸太郎著「ゴールデン・スランバー」
いやぁ、評判どおり面白かったです。

さすが、伊坂作品の現時点での集大成、というだけあって、彼の作品の美味しいところどり、といった内容になっていました。

舞台は仙台、ごく普通の男性が得体のしれない巨大な「権力」によって、首相殺しの犯人に仕立て上げられてしまいます。

第一部 事件の始まり

第二部 事件の視聴者

第三部 事件から二十年後

第四部 事件

第五部 事件から三ヵ月後 

という風に、「首相暗殺」という事件を、それぞれの立場、時間から構成されています。

最初はえ?ととまどいながら、犯人だと思っていた人が実は違う?度重なるどんでん返し、どこまでが騙されていてどこまでが真実?嘘?わな?

あれよあれよと次の展開に読むのをやめられなくなってしまう、まさにエンタメ小説に仕上がっていましたよ。

伊坂作品特有のウィットに富んだ会話、主人公の学生時代の何気ない会話が、ここにきてすごく重要になってきたり、登場人物の意外な繋がりなどなど、さすが、としてやられる感じが心地いいです。

伊坂作品を読むといつも、友達や家族っていいなぁとか、青春っていいなぁとか、すごく当たり前のことなんですが、それをほろ苦く思い起こさせてくれるんですよね。

彼が舞台にする仙台の町も一度行ってみたいなぁと思わせてくれます。

最後まで謎は謎のままの部分があったりで、読み終わった直後はもどかしさが残ったのは否めません。
でもそれはそれで、よかったのかな?
小説としてはしっかり完結はされています。

そんな読者も多いからか、こんなブログも話題になっているようですね。
ゴールデンスランバーもうひとつの結末外部リンク
これはぜひ、本作品をしっかり読んでから見ることをおすすめします!

さっそく堺雅人さん、竹内結子さんで映画化も決まっていますね。
ゴールデンスランバー映画化外部リンク
この二人を頭に描きながら読んでみたのですが、違和感がなく、すんなり入っていけました。多分、二人ともはまり役です。
他の登場人物がどなたになるのか、今から映像化もとても楽しみな作品です。

個人的にこれで伊坂作品10作品目、読み終わりました。
昨年からめっちゃ填まってます。
彼の作品は、登場人物が別な作品でもリンクしてくるのが面白いんですよね。あれ、この人、あの作品の○○じゃん!
それを発見するのも伊坂作品の楽しみ方の一つです。

ここまで短期間に映像化が相次ぐ作家さんもそういないですよね。それだけ面白いとみんなが認めている作家さんであることは間違いないです。

次回はどんな作品を書いてくれるのか?
今から新作が待ち遠しい作家さんのひとりです。

タイトルにもなっている
GOLDEN SLUMBERS-THE BEATLES
BGMにどうぞ






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