2010年12月3日(金)
映画「悪人」誰が本当の悪人なのか?魂に突きつけられる重い宿題
観る×46
映画「悪人」
ずっと気になっていたんですが、とどこさんのレビューを見て、どうしても行きたくなり、なんとか時間を見つけて行って来ました。
誰が本当の「悪人」なのか
見た人それぞれが決める映画です。
スクリーンに妻夫木君はいませんでした。
そこにいるのは清水祐一
彼のインタビューを見たのですが、今までの役作りとは180度違っていたそうで。普段は役を作っていく足し算作業なんだけど、今回は、引き算の作業だったと。
それくらい役の中に「妻夫木聡」はいらなかった。自分をどこまで無くしていくか、その無の状態からこの役になりきっていました。
あるトラウマをもった幼少期、日々たまっていくなんともいえない徒労感を、鬱屈したはけ口を見つけることができないまま、ただ死んだように生きている青年を見事に表現していました。
深津絵里さん演じる馬込光代、地味で冴えない、本当の恋愛もしたことのないような、生まれてこの方、故郷の国道を往復しているだけの人生
そんな彼女と「出会い系」を通じて知り合います。
たとえ「出会い系」でも、最初に逢ったのが光代だったら・・・
人は時に自分を守るため人を傷つけます
自分の存在を確かめるため、相手を卑下したり、必要以上に自分を貶めたり
人と比べて、自分はまだマシだって思わないと立っていられないときがある
誰かを貶めることでようやく自分の存在価値を見出せる
でも、それじゃ悲しいです。
言うまでもなく「殺人」は罪です。
それは祐一自信も痛いほどわかっている。
光代に出逢った事で、その自分の罪、誰かのせいにしてみないようにしていたふたを開けられる恐怖感、焦燥感が痛いほど伝わってきました。
いくら身体を重ねても心の深い部分までは埋められない。
どしゃぶりの心の中で、すっと傘を差し出してくれたのが光代、だけど、遅かった。その愛を受け入れるには。うっすらと差し込んできた光さえ、祐一にはまぶしくって痛かった。
人間が人間らしくいるために必要なこと
誰かに愛されていること、愛していること
存在価値を自分で見つけられること
信じられる何かがあること
そんなことを考えさせられる映画です。
この二人だけではなく、家族の思いや葛藤も二人の悲しい愛を引き立たせていました。
名優が脇をがっちりかためていて、それぞれ役に成りきった上で、各自の持つ最大の魅力を引き出されていました。
特に祐一のおばあちゃん、樹木希林さん、被害者のお父さん、柄本明さん、お見事です。
「あなた、大切な人はおるね?」
柄本さんが語りかけるシーンは非常に印象的でした。
被害者も加害者も決して他人事ではないのです。
殺人者なんて別世界の人。殺人者の気持ちなんてわかるわけない。その通りです。
でもその危険性はもしかしたら身近にも潜んでいるのかもしれない。そんな怖さも感じた作品でした。
人の心に巣食ういろんな感情
白か黒か、簡単には割り切れないなんともいえない理不尽な気持ち
答えが出たわけではないけれど、重い宿題を突きつけられたそんな作品でした。
ラストシーン、個人的な解釈なんですが、私は祐一の愛を感じました。
光代を本気で愛したが故の・・・
ずっと気になっていたんですが、とどこさんのレビューを見て、どうしても行きたくなり、なんとか時間を見つけて行って来ました。
誰が本当の「悪人」なのか
見た人それぞれが決める映画です。
スクリーンに妻夫木君はいませんでした。
そこにいるのは清水祐一
彼のインタビューを見たのですが、今までの役作りとは180度違っていたそうで。普段は役を作っていく足し算作業なんだけど、今回は、引き算の作業だったと。
それくらい役の中に「妻夫木聡」はいらなかった。自分をどこまで無くしていくか、その無の状態からこの役になりきっていました。
あるトラウマをもった幼少期、日々たまっていくなんともいえない徒労感を、鬱屈したはけ口を見つけることができないまま、ただ死んだように生きている青年を見事に表現していました。
深津絵里さん演じる馬込光代、地味で冴えない、本当の恋愛もしたことのないような、生まれてこの方、故郷の国道を往復しているだけの人生
そんな彼女と「出会い系」を通じて知り合います。
たとえ「出会い系」でも、最初に逢ったのが光代だったら・・・
人は時に自分を守るため人を傷つけます
自分の存在を確かめるため、相手を卑下したり、必要以上に自分を貶めたり
人と比べて、自分はまだマシだって思わないと立っていられないときがある
誰かを貶めることでようやく自分の存在価値を見出せる
でも、それじゃ悲しいです。
言うまでもなく「殺人」は罪です。
それは祐一自信も痛いほどわかっている。
光代に出逢った事で、その自分の罪、誰かのせいにしてみないようにしていたふたを開けられる恐怖感、焦燥感が痛いほど伝わってきました。
いくら身体を重ねても心の深い部分までは埋められない。
どしゃぶりの心の中で、すっと傘を差し出してくれたのが光代、だけど、遅かった。その愛を受け入れるには。うっすらと差し込んできた光さえ、祐一にはまぶしくって痛かった。
人間が人間らしくいるために必要なこと
誰かに愛されていること、愛していること
存在価値を自分で見つけられること
信じられる何かがあること
そんなことを考えさせられる映画です。
この二人だけではなく、家族の思いや葛藤も二人の悲しい愛を引き立たせていました。
名優が脇をがっちりかためていて、それぞれ役に成りきった上で、各自の持つ最大の魅力を引き出されていました。
特に祐一のおばあちゃん、樹木希林さん、被害者のお父さん、柄本明さん、お見事です。
「あなた、大切な人はおるね?」
柄本さんが語りかけるシーンは非常に印象的でした。
被害者も加害者も決して他人事ではないのです。
殺人者なんて別世界の人。殺人者の気持ちなんてわかるわけない。その通りです。
でもその危険性はもしかしたら身近にも潜んでいるのかもしれない。そんな怖さも感じた作品でした。
人の心に巣食ういろんな感情
白か黒か、簡単には割り切れないなんともいえない理不尽な気持ち
答えが出たわけではないけれど、重い宿題を突きつけられたそんな作品でした。
ラストシーン、個人的な解釈なんですが、私は祐一の愛を感じました。
光代を本気で愛したが故の・・・
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