201184(木)

映画『奇跡』生きているだけで誰かの奇跡

観る×46

映画『奇跡』生きているだけで誰かの奇跡

シネとかちで上映中の映画『奇跡』を見てきました。

『奇跡』 公式サイト外部リンク

九州新幹線の一番列車がすれ違う時、奇跡が起こる。
そんな噂がすべての始まりだった。


是枝裕和さんの最新作、監督・脚本・編集一人3役を手がけています。

主演はご存知「まえだまえだ」
いつの間にか成長しましたよね。

お兄ちゃんのほうは前作のNHK朝のTV小説「てっぱん」での名演技も記憶に新しいところですが。

両親の都合で、鹿児島と福岡、離れ離れに暮らす兄弟。

しっかりもののお兄ちゃんはお母さん(大塚寧々)と祖父母(橋爪功、樹木希林)と鹿児島で。
ちゃっかりものに弟はダメダメなお父さん(オダギリジョー)と福岡に。

それぞれ子供らしく元気に振舞いながらも、時に寂しそうな表情を見せたり、いじらしいくらい遠慮したり我慢したり、それを悟られないようおどけてみたり。

本当の兄弟ならではのあうんの呼吸はお見事。

子供がとってもイキイキと見える映画になっていました。
まえだまえだの二人は文句なしに素晴らしい。

その他にも子供が出てくるんですが、どの子もとっても自然、日本の子供映画にありがちな、セリフを言わされているいやらしい感じがまったくといっていいほどないんですよね。

樹木希林さんが孫と共演!ってことでも話題になっていましたよね。

内田伽羅ちゃん
画像

なるほどなかなかの美少女でした。
でもそれも言われるまで気がつかないくらい、映画の中では自然に溶け込んでいましたよ。

そして、その奔放な愛すべき子供達を取り巻く大人たち、脇役、チョイ役にも、おしげもなく名優さんたちがしっかり固めていました。

夏川結衣、阿部寛、長澤まさみetc

そして原田芳雄さん、この作品でもしっかり存在感を、光を放っていました。

子供が主役で、家族構成に問題があって・・・
というと、よくあるお涙ちょうだいものになっているのかと思いきや、そんなことはまったくありません。

なんてことのない日常を丁寧に切り取って、笑いどころもふんだんに、でもいつのまにかじんわり暖かい涙が頬を伝っている・・・そんな優しい映画です。

是枝監督の目線が、本当に子供に対する愛情に溢れているのがすごく伝わってきたんですよね。


家族が一緒に暮らすこと。
そんな当たり前が、ぼくたちには奇跡だった。



『奇跡』って実はそんなおおげさなものではなく。
今生きているそのことがすでに奇跡。
誰かが誰かを思い、そんな大切な人がいることが、素晴らしい奇跡なんだと。
それを声高でも押し付けでもなく、見終わった人にそっと囁くように寄り添うように、ぬくもりで感じさせてくれるような、そんな秀作でした。

子供達の表情に、逞しさと元気を貰えます。
私達大人が、もっとしっかりしなくっちゃ、そんなことも考えさせてくれますよ。

帯広では8月19日までの上映です。
Cineとかち 上映スケジュール外部リンク
夏休み、子供とも一緒に楽しめる作品になっていました、おすすめです。

くるりの主題歌が、またバッチリで余韻を楽しませてくれます。
奇跡 くるり

そうそう、見終わったら「かるかん」がとっても食べたくなりますよ!かるかんってなんぞや?と思う方は映画館へどうぞw






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