2019年11月6日(水)
2015年インド・スリランカ旅行記・15
旅行記×41
ホームステイ初日。
私はスリヤンガの自宅で昼食をごちそうになったあと、夕方になるまで雑談などしてのんびりさせてもらった。
「そろそろ行きましょう」
お茶を飲んでいたスリヤンガが立ち上がった。
私は彼の車に乗り、5分ほどでホームステイ宅に到着した。
古い2階建ての家屋の前に車が停まり、玄関から中年男性が出てきたので挨拶する。
ホストファミリーの主人、ラリットだ。
彼は私よりも年上だが、中肉中背で頭髪は白髪がなく若々しい印象を受けた。
現在外資系のホテルに勤務し、英語は堪能。
今回の滞在地・ヒッカドゥワは欧米人に人気のビーチリゾートなので、外国人向けの宿泊施設がたくさんある。
彼はスリヤンガの前職の先輩だった縁で、今回のホストファミリーを引き受けてくれたのだ。
仕事柄、外国人に慣れているということもある。
スリヤンガはラリットと軽く世間話をしたあと、「じゃあ頑張ってね。時々様子見に来るから」と言って帰って行った。
ラリットに家の中を案内してもらった。
1階が母屋。
玄関から入ってすぐに共用スペースがあり、家族はテレビをここで見る。
廊下はなく、次に居間兼食堂となっている。
居間にいた奥様のドゥシャンティに挨拶する。
この居間に子供部屋が3つと両親の寝室が隣接している。
興味深いのは、各部屋の仕切りにドアがなく、のれんが下がっているだけなのである。
一体プライバシーはどうなっているのか、と疑問を感じた。
居間から裏玄関を抜けて一度屋外に出ると、小さな中庭と二階に上がる階段があり、二階は客間となっている。
この客間が唯一この家でプライバシーが守られる空間である。
トイレ、浴室そしてベッドには蚊帳も用意されている。
私が荷物を二階に上げたあと中庭に下りてくると、短パンで上半身裸になったラリットが待っていた。
中庭は壁に囲まれているのだが、やたらと波音が大きいのが気になっていた。
「扉を開けてみなよ」
ラリットが笑っている。
「おおぉーーーーーーー凄い」
思わず叫んだ。
裏庭のドアを開けたら目の前が海と砂浜。
なんと、家から徒歩30秒でビーチだ。
「キレイだろ、海。一緒に泳ごう」
陽気なラリットである。
しかし私はインドでひいた風邪が治らず、鼻水が止まらない状況が続いていた。
だから正直気乗りはしない。
「でも私、海パン持って来てないのですが・・・」
私は遠まわしに断りを入れたつもりだったが、
「下着のまま入ればいいじゃないか。ここは観光客が来ない場所だ、ノープロブレム!」
ラリットは譲らない。
「いやいやいや・・・風邪をひいているから、またの機会にしたいのですが」
「ノープロブレム!問題ない。風邪なら私もひいているぞ!」
ラリットの顔をよく見たら、鼻水をたらしている。
「海水は健康にいいんだ、風邪も治るさ。さあ泳ごう」
「えーーーーーーーーーーーー!」
私はしぶしぶ服を脱ぎ、ラリットと一緒に海に入ることになった。
波は高くないし、水深もそれほどではなく、足が着くので安心だ。
水温は温く感じ、確かに彼の言うとおり気持ちがよかった。
結局10分ほど2人で海に入っていた。
海から上がった直後に大量の鼻水をかんだ。
夕食はドゥシャンティの横で邪魔にならないように気を遣いつつ、写真やメモをとったりしながら調理方法を観察した。
一番驚いたのは、まな板。
丸太を輪切りにスライスした素朴な板なのだが、断面がガタガタであった。
包丁も、あまり研いでいないようだ。
しかし、出来上がった料理は絶品なので、何も問題はないのである。
フィッシュカレー。
ココナッツロティ(薄焼きパン)
生のココナッツミルクや新鮮なスパイスを使っているので、シンプルな調理法であっても十分に美味しい。
家庭料理なので油は控えめであり、自分にはちょうどよかった。
目まぐるしい一日が終わり少し疲れてはいたが、陽気なラリット夫妻を見ていてホームステイ生活は、なんとかなりそうだと感じてきた。
そして不思議なことに、翌日から咳や鼻水の症状がピタリと出なくなった。
つづく
私はスリヤンガの自宅で昼食をごちそうになったあと、夕方になるまで雑談などしてのんびりさせてもらった。
「そろそろ行きましょう」
お茶を飲んでいたスリヤンガが立ち上がった。
私は彼の車に乗り、5分ほどでホームステイ宅に到着した。
古い2階建ての家屋の前に車が停まり、玄関から中年男性が出てきたので挨拶する。
ホストファミリーの主人、ラリットだ。
彼は私よりも年上だが、中肉中背で頭髪は白髪がなく若々しい印象を受けた。
現在外資系のホテルに勤務し、英語は堪能。
今回の滞在地・ヒッカドゥワは欧米人に人気のビーチリゾートなので、外国人向けの宿泊施設がたくさんある。
彼はスリヤンガの前職の先輩だった縁で、今回のホストファミリーを引き受けてくれたのだ。
仕事柄、外国人に慣れているということもある。
スリヤンガはラリットと軽く世間話をしたあと、「じゃあ頑張ってね。時々様子見に来るから」と言って帰って行った。
ラリットに家の中を案内してもらった。
1階が母屋。
玄関から入ってすぐに共用スペースがあり、家族はテレビをここで見る。
廊下はなく、次に居間兼食堂となっている。
居間にいた奥様のドゥシャンティに挨拶する。
この居間に子供部屋が3つと両親の寝室が隣接している。
興味深いのは、各部屋の仕切りにドアがなく、のれんが下がっているだけなのである。
一体プライバシーはどうなっているのか、と疑問を感じた。
居間から裏玄関を抜けて一度屋外に出ると、小さな中庭と二階に上がる階段があり、二階は客間となっている。
この客間が唯一この家でプライバシーが守られる空間である。
トイレ、浴室そしてベッドには蚊帳も用意されている。
私が荷物を二階に上げたあと中庭に下りてくると、短パンで上半身裸になったラリットが待っていた。
中庭は壁に囲まれているのだが、やたらと波音が大きいのが気になっていた。
「扉を開けてみなよ」
ラリットが笑っている。
「おおぉーーーーーーー凄い」
思わず叫んだ。
裏庭のドアを開けたら目の前が海と砂浜。
なんと、家から徒歩30秒でビーチだ。
「キレイだろ、海。一緒に泳ごう」
陽気なラリットである。
しかし私はインドでひいた風邪が治らず、鼻水が止まらない状況が続いていた。
だから正直気乗りはしない。
「でも私、海パン持って来てないのですが・・・」
私は遠まわしに断りを入れたつもりだったが、
「下着のまま入ればいいじゃないか。ここは観光客が来ない場所だ、ノープロブレム!」
ラリットは譲らない。
「いやいやいや・・・風邪をひいているから、またの機会にしたいのですが」
「ノープロブレム!問題ない。風邪なら私もひいているぞ!」
ラリットの顔をよく見たら、鼻水をたらしている。
「海水は健康にいいんだ、風邪も治るさ。さあ泳ごう」
「えーーーーーーーーーーーー!」
私はしぶしぶ服を脱ぎ、ラリットと一緒に海に入ることになった。
波は高くないし、水深もそれほどではなく、足が着くので安心だ。
水温は温く感じ、確かに彼の言うとおり気持ちがよかった。
結局10分ほど2人で海に入っていた。
海から上がった直後に大量の鼻水をかんだ。
夕食はドゥシャンティの横で邪魔にならないように気を遣いつつ、写真やメモをとったりしながら調理方法を観察した。
一番驚いたのは、まな板。
丸太を輪切りにスライスした素朴な板なのだが、断面がガタガタであった。
包丁も、あまり研いでいないようだ。
しかし、出来上がった料理は絶品なので、何も問題はないのである。
フィッシュカレー。
ココナッツロティ(薄焼きパン)
生のココナッツミルクや新鮮なスパイスを使っているので、シンプルな調理法であっても十分に美味しい。
家庭料理なので油は控えめであり、自分にはちょうどよかった。
目まぐるしい一日が終わり少し疲れてはいたが、陽気なラリット夫妻を見ていてホームステイ生活は、なんとかなりそうだと感じてきた。
そして不思議なことに、翌日から咳や鼻水の症状がピタリと出なくなった。
つづく
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