2019年11月28日(木)
2018年インド・スリランカ旅行記・17
旅行記×41
3月3日
ヒッカドゥワでの滞在中、私はカオリさんの部屋にちょくちょく顔を出し、世間話につきあってもらった。
日本語でたっぷり会話ができるのが心地よいし、カオリさんは関西出身ということもあって、サービス精神旺盛で話をして楽しいのだ。
彼女から、夫であるキンスリーの話を色々聞くことができた。
キンスリーは筋トレが趣味である。
彼は私と年齢が同じなのだが、細マッチョでスタイルがよく、非常に若々しく見える。
「ちょっと聞いてくれます?キンスリーが私を最初にデートに誘ったとき、なんて言ったか」
おかしくてたまらない表情をするカオリさん。
「なんて言ったんですか、彼は」
「僕と一緒に浜辺でトレーニングしないか、よ」
「マジですかw」
「あっはは。ウケるでしょう?」
「それで、一緒にやったんですか。トレーニング」
「うん、でも毎朝6時から始まるのよ」
「マジですかwww」
カオリさんの話によると、キンスリーは苦労人だ。
今でこそ大きなゲストハウスの経営者だが、若いころイタリアで出稼ぎした金をもとに部屋2つの小さなゲストハウスを始めた。
彼の人柄が信用され、欧米からの長期客が増加し、少しずつ増築して現在の大きなゲストハウスになった。
そしてキンスリーは日本人が好きらしい。
他のシンハラ人と比較すると、彼の顔は濃くない。
子供のころ、日本人みたいな顔と言われ、彼は嬉しかったそうだ。
カオリさんと結婚したあと日本で生活した経験があるが、和食が全く合わなかったらしく、
いつも自分でカレーを作って食べていたようである。
夕方に、カオリさんが私の部屋をノックする。
「キンスリーがマトンカレー作ったから、食べに来ないかって言ってるよ」
マトンカレーだと!?
「行きます行きます。絶対行きます」
スリランカ人が作るマトンカレーは、今まで一度も食べたことがない。
まさに千載一遇のチャンスだ。
初めて目にするマトンカレー。
羊肉はキンスリーが、わざわざゴールの町まで買いに行ったそうだ。
ゴールはムスリム(イスラム教徒)人口の多い町だから、羊肉の需要があるのだ。
お皿にライスが乗り、マトンカレー、豆カレー、サラダが盛りつけられている。
これが目をひんむくくらい美味かった。
マトンカレーは、カルダモンとブラックペッパーが強烈に自己主張している。
臭み消しのジンジャーも良い風味だ。
「美味いよ!キンスリー、美味い」
夢中になってガツガツ食べていく。
キンスリーも満足気な表情で嬉しそう。
「どんなスパイスを使っているの?」
キンスリーに作り方を根掘り葉掘り聞いた。
これは絶対に店に戻ってから、メニューに加えなけらばならない。
3月4日
時間があったので観光地のゴールへ行った。
欧米人、アジアからも観光客がたくさん来ていた。
観光の見どころは城塞跡だが、周辺も含め半日あれば十分。
私が次回ゴールへ来るときは、観光ではなく、ムスリム料理を勉強するために訪問することになるだろう。
ゴールから戻った私は、宿の近くにあるスーパーマーケットへ出かけた。
外食に飽きてきたので、久しぶりに自炊をしようと思ったのだ。
夕食は久し振りにパスタを調理した。
香辛料は塩胡椒のみのシンプルな味付けだが、非常に美味しく感じた。
冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを出して、グビグビ飲む。
カオリさんがマトンカレーを持って部屋に遊びに来た。
「キンスリーが友達に自慢してたよ。俺のカレーは日本の料理人に褒められたって」
「そうなんだ。ほんとに美味しかったからね」
「そういえば、キンスリーは仕事があるはずなのに、なんか私の所にずっといようとするんだよね」
カオリさんは不思議そうな顔をする。
「そりゃそうですよ、久しぶりにカオリさんがスリランカに戻ってきたのだから」
「そう?」
「絶対そうですって」
スリランカではアーユルヴェーダの施設を立ち上げ、オフシーズンには南インドでヨガの修行をしている。
人生を謳歌する自由人のカオリさん。
前回の旅ではスリヤンガ・レイコ夫妻にお世話になったが、今回はキンスリー・カオリ夫妻と深く関わることになった。
人の縁とは、本当に面白いと思う。
つづく
ヒッカドゥワでの滞在中、私はカオリさんの部屋にちょくちょく顔を出し、世間話につきあってもらった。
日本語でたっぷり会話ができるのが心地よいし、カオリさんは関西出身ということもあって、サービス精神旺盛で話をして楽しいのだ。
彼女から、夫であるキンスリーの話を色々聞くことができた。
キンスリーは筋トレが趣味である。
彼は私と年齢が同じなのだが、細マッチョでスタイルがよく、非常に若々しく見える。
「ちょっと聞いてくれます?キンスリーが私を最初にデートに誘ったとき、なんて言ったか」
おかしくてたまらない表情をするカオリさん。
「なんて言ったんですか、彼は」
「僕と一緒に浜辺でトレーニングしないか、よ」
「マジですかw」
「あっはは。ウケるでしょう?」
「それで、一緒にやったんですか。トレーニング」
「うん、でも毎朝6時から始まるのよ」
「マジですかwww」
カオリさんの話によると、キンスリーは苦労人だ。
今でこそ大きなゲストハウスの経営者だが、若いころイタリアで出稼ぎした金をもとに部屋2つの小さなゲストハウスを始めた。
彼の人柄が信用され、欧米からの長期客が増加し、少しずつ増築して現在の大きなゲストハウスになった。
そしてキンスリーは日本人が好きらしい。
他のシンハラ人と比較すると、彼の顔は濃くない。
子供のころ、日本人みたいな顔と言われ、彼は嬉しかったそうだ。
カオリさんと結婚したあと日本で生活した経験があるが、和食が全く合わなかったらしく、
いつも自分でカレーを作って食べていたようである。
夕方に、カオリさんが私の部屋をノックする。
「キンスリーがマトンカレー作ったから、食べに来ないかって言ってるよ」
マトンカレーだと!?
「行きます行きます。絶対行きます」
スリランカ人が作るマトンカレーは、今まで一度も食べたことがない。
まさに千載一遇のチャンスだ。
初めて目にするマトンカレー。
羊肉はキンスリーが、わざわざゴールの町まで買いに行ったそうだ。
ゴールはムスリム(イスラム教徒)人口の多い町だから、羊肉の需要があるのだ。
お皿にライスが乗り、マトンカレー、豆カレー、サラダが盛りつけられている。
これが目をひんむくくらい美味かった。
マトンカレーは、カルダモンとブラックペッパーが強烈に自己主張している。
臭み消しのジンジャーも良い風味だ。
「美味いよ!キンスリー、美味い」
夢中になってガツガツ食べていく。
キンスリーも満足気な表情で嬉しそう。
「どんなスパイスを使っているの?」
キンスリーに作り方を根掘り葉掘り聞いた。
これは絶対に店に戻ってから、メニューに加えなけらばならない。
3月4日
時間があったので観光地のゴールへ行った。
欧米人、アジアからも観光客がたくさん来ていた。
観光の見どころは城塞跡だが、周辺も含め半日あれば十分。
私が次回ゴールへ来るときは、観光ではなく、ムスリム料理を勉強するために訪問することになるだろう。
ゴールから戻った私は、宿の近くにあるスーパーマーケットへ出かけた。
外食に飽きてきたので、久しぶりに自炊をしようと思ったのだ。
夕食は久し振りにパスタを調理した。
香辛料は塩胡椒のみのシンプルな味付けだが、非常に美味しく感じた。
冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを出して、グビグビ飲む。
カオリさんがマトンカレーを持って部屋に遊びに来た。
「キンスリーが友達に自慢してたよ。俺のカレーは日本の料理人に褒められたって」
「そうなんだ。ほんとに美味しかったからね」
「そういえば、キンスリーは仕事があるはずなのに、なんか私の所にずっといようとするんだよね」
カオリさんは不思議そうな顔をする。
「そりゃそうですよ、久しぶりにカオリさんがスリランカに戻ってきたのだから」
「そう?」
「絶対そうですって」
スリランカではアーユルヴェーダの施設を立ち上げ、オフシーズンには南インドでヨガの修行をしている。
人生を謳歌する自由人のカオリさん。
前回の旅ではスリヤンガ・レイコ夫妻にお世話になったが、今回はキンスリー・カオリ夫妻と深く関わることになった。
人の縁とは、本当に面白いと思う。
つづく
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