2010917(金)

わらった、石


わらった、石

あるところに、石がいました。

この石は、うまれてから、いちどもわらったことが、ありません。

石は、かんがえました

「ここをとおっていくひとは、わらっているのに、どうしてわたしは、わらえないんだろう?」

まわりにいるのは、草と虫だけです。

「虫さん、どうしてわたしは、わらえないの?」

「石だからさ。石は、つめたい心しかないから、わらえないんだよ」

草にも、ききました。

まわりの、草たちは、「あなたは石だから、心がつめたいの。だからわらえないのよ」

と言って、みんなで、わらいました。


「わたしが石だから、、、、心がつめたいの?、、、、」



それからの石は、虫が、はなしかけても、草が風にそよいでも、なにも言わなくなりました。










ある日、犬が石のそばにきました。

犬は、しばらく石を見てから、

          「ともだちに、なって」


と、言いました。


石は、なにも言いません。

いつも、ひとりぼっちだったから。

ともだちなんか、いらなかったから。



こまった犬は、

「じゃあ、ともだちになってくれなくていいから、いっしょに、わらおうよ」

と、いいました。

でも、石は、つめたい声で、

「わたしは、石なの。つめたい心しかないから、わらえないの」

と言いました。

それを聞いた犬は、石のまわりを、ピョンピョン、ピョンピョンはねまわりました。

「あなた、なにしてるの?」

ピョンピョンはねてる犬を見ていると、石はふしぎなきもちになりました。


心の中に、なにかあたたかいものが、ゆっくりとしみこんでくるようなきもち。

なにかが、じぶんを、やさしくつつみこんでくれているようなきもち。


「あはは。石さん、わらってる」

うれしそうに、犬が言いました。


「わたし、わらってる。だれかといっしょにわらうって、こんなにたのしいんだ」


石は,はずかしそうに、犬に言いました。

     「犬さん、ともだちに、なって」




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享年13歳、アタシの膝の上で旅立ちました。
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幸(さち)♀

皆で撫でながら最期を迎える事が出来ました。
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