2021221(日)

ハンコの話


押印廃止の流れが出てきている昨今ですが、

完全になくなることもないようには思います。



ちなみに、「印鑑」と呼ぶものは実印のことです。

認印などに使うようなものや、いわゆる三文判などは

用語としては「印章」と呼ぶことになります。

印鑑と印章をひっくるめて、俗に「ハンコ」というわけですね。



使い方にもいろいろあります。



例えば「割印」。



これは、同じ書類を複数印刷した時に、

その文書が同一であることをお互いに確認した証などに押します。



契約書や協議書というのは、相互に控えを一通ずつ所持しますから、

それぞれが異なった文面だと大変です。

なので、同一の書類であることを確認し、お互いに押しておくわけです。


画像



写真のように、紙と紙を少しずらして押します。
(めったやたらと印影をアップロードできませんので
控印を押してあります)



領収書を切る際に、正本と控えとの間に押したりもしますし、

印紙を貼った際に使用済みであることを示すために押すこともあります。

契約当事者が3人いるときには縦長の専用印を使うこともありますが、

最近ではあまり見かけませんね。



似たような用語で「契印」というものがあります。

これは、契約書が複数にまたがる場合などに

紙のとじ目に押す印鑑のことです。


画像



綴じられた文書が連続していることを示すために押す印です。

途中の紙を抜き取られたりしないようにするわけですね。



契約書や会社の定款などは、たいていの場合複数枚になってしまいますから

そんな時にはこの契印を押します。



認め印については、無駄だなと思うこともしばしばありますし、

印鑑を押すためだけに出勤する、というのを聞くと

さすがにそれは、と思ったりしましたので

それらを廃止する流れというのは基本的には歓迎するべきと思います。



3Dプリンターなど、印刷技術の発展によって

陰影の偽造が容易になってきたというのももちろんあります。



しかし、印鑑登録、印鑑証明書と結びついた実印に関しては

本人認証の手段としてはかなり有効なシステムではないかと思います。



印鑑証明書を取得する場合は、

印鑑登録カードを持参して窓口で交付を受けることが必要ですから、

陰影そのものが偽造可能であったとしても

印鑑証明書まで偽造する、印鑑登録カードを窃取、詐取する、というのは

さらにもう一段階難易度が上がってくるということになります。



もっとも、これもマイナンバーカードの普及率が上がってくれば

いずれ電子証明書などに取って代わられることにはなるかもしれません。



印鑑をきれいに押せるとうれしい、という感覚は

そう無くならないのではと思いますので

昔の花押のような形でも印鑑文化は残っていくのかもしれませんね。



もちろん当事務所ではご依頼人に押印していただくときは

必ず事前にご説明をした上で押印していただきます。

ご不明な点があればお尋ねください。



契約書のことはこちらまで外部リンク






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