202131(月)

遺言書がここにも?


一度遺言を書いても、後から思い直すことは誰でもあります。

というより、手紙でも何でも、書き直すのは普通にあることですよね。



ただ、遺言が問題になるのは本人が亡くなった後ですから、

本当の意思はどちらか、ということを確認することができません。



その場合、民法では

「矛盾抵触する部分については」日付の新しい方を有効とする、

と定めています。



(民法第1023条第1項 : 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、

その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす)



逆に言うと、矛盾抵触しない部分については、

古い遺言も有効になるということですので、

この点は気を付けなければなりません。



ですので、2つ以上遺言が出てきた場合には、

次のようなステップで相続手続きを進める必要があります。



① 遺言が有効であるか確認する

公正証書遺言であれば、形式的には有効ですが、

自筆証書遺言だった場合には、形式が有効ではないケースがあります。

その場合には、有効である方のみを採用します。



② どちらも有効の場合

内容を確認する必要があります。

この場合も、自筆証書遺言の場合には「検認」と呼ばれる手続きが必要です。

決して勝手に開封してはなりません。



日付を確認して、どちらが新しいか確認します。

(日付があること自体が遺言の効力の要件ですので

日付が特定できない遺言は無効となります)



それから内容を確認して、矛盾抵触する箇所がないかを見ます。

例えば「土地」について、一通では子供に、もう一通では配偶者に相続させる、

となっていれば、新しい日付になっている方を優先することになります。



②’どちらも無効である場合

この場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。



また、公正証書遺言であっても、自筆証書遺言であっても

遺言の効力自体には差はありませんので

証人を立てたりして作成するのが大変だからと言って

公正証書の方が効力が強いと言うことはありません。



現在は自筆証書遺言も法務局で保管してくれる制度がありますが、

公正証書も公証役場で原本を保管してくれていますので

仮に遺言書が見つからない場合でも

公証役場で検索してもらうことができます。



これは全国の公証役場のどこにあっても検索ができますが、

遠方の公証役場の場合は謄本を郵送で取り寄せることもできます。

(もちろん現地まで行って謄本を取得することもできます)



ただし、正当な権利者であること(相続人等であること)を

証明する必要がありますから

戸籍等を揃えた上で、手続きをする必要があります。



実は、この公正証書の謄本を取り寄せる手続きも意外と手間がかかります。

戸籍を公正証書を保管している公証役場にいきなり送り付けてもダメで、

最寄りの公証役場で正当な権利者であることを認証してもらってからということになります。



公正証書遺言の検索のときなどに、法定相続情報一覧図を作成してあると

手続きが短時間で済みます。



この法定相続情報一覧図は銀行口座の解約等でも役立ちますので

相続放棄する意思があらかじめ明確に決まっていない限りは

まずこれを作ってしまうことを優先すると良いかもしれません。



相続を放棄するかしないかなどは

亡くなったことを知ってから3ヶ月以内という期限もありますので

戸籍の取得や遺言の謄本請求の手続に手間取ると

あっという間に期限が来てしまいます。



同じ戸籍を何通も取得するのは費用も手間も馬鹿になりませんが、

原本還付を希望する場合には戸籍のコピーを同封の上、添え書きを送るなど

意外と陥りやすい盲点がありますので

こういうのも専門家に任せてしまった方がスムーズではあります。



当事務所でも承っておりますので、

ややこしそうだなとなった時にはご相談ください。


遺言、相続のお問い合わせはこちらから外部リンク






 コメント(0件)コメント欄はユーザー登録者のみに公開されます 
コメント欄はユーザー登録者のみに公開されています

ユーザー登録すると?
  • ユーザーさんをお気に入りに登録してマイページからチェックしたり、ブログが投稿された時にメールで通知を受けられます。
  • 自分のコメントの次に追加でコメントが入った際に、メールで通知を受けることも出来ます。






 ABOUT
行政書士法人とかちパートナーズ
公正証書から契約書、協議書の作成、遺言や相続等の終活関係、建設業許可、自動車関連業務を主に取扱っています。
その他、起業支援や補助金申請、企業法務もご相談ください。

性別
エリア帯広市
属性事業者
 GUIDE
行政書士法人とかちパートナーズ
住所帯広市東1条南6丁目12番地3
TEL0155-66-4192
営業09:00 - 18:00
時間外・休日対応可
定休土日祝
 カウンター
2014-12-11から
178,733hit
今日:24
昨日:128


戻る