2021824(火)

終活と向き合う


遺言書のお問い合わせをしばしば頂戴します。

終活ということを意識されている方が多く、

ご自身でも調べている方がかなりいらっしゃいますが、

いざ作ってみると、自分の眼で確認するだけでは不安が残るのも確かです。



要件は本当に満たしているか、

遺留分を侵害するようなものになっていないか、

といった内容に関することから、

封筒には入れるべきなのかといったことまで様々です。



法律が改正されて、自筆証書遺言でも

財産目録はPCなどで作成できるようになりましたが、

その分、注意しなければならないこともあります。



また、封筒に入れて保管するべきかという点でですが、

必ずしも、法律上は封筒に入れる必要はありません。

ただ、保管していくという意味においては封筒に入れておくほうがいいでしょう。



あまりにもカジュアルなものですと

「遺言なんて重要な物をこんな雑に作ったり保管したりするだろうか」

という疑念をご遺族が持ちかねません。



自筆で全文を書く、というのはそれだけでかなりの労力ですが、

書き終えて、中身を確認するだけでなく、

それから封筒に入れて封印するという作業をすることで

大きなケジメを付けた気分になるという方はとても多いです。



当事務所でも、内容の確認やご助言などを承っておりますが

当事務所で文面作成させていただいた遺言書につきましては、

完成後にご本人様が納得のいくものであることを確認した上で、

最後にシーリングワックスで封印させていただくサービスを行っています。

(封印のみのサービスは行っていません)



画像



本当はのり付けだけでも問題ないのですが、

人生の最後に、後に遺る方へ向けたメッセージでもありますから

ワックスを溶かし、封印した上で、イニシャルのスタンプを押すことで

一種の儀式を終えた気持ちになっていただけるようです。



また、押印については必須の要件ですので

署名に加えてご自身の印を押していただきますが、

かなりの長期間、保存することもある書類ですので

朱肉の劣化で印影が読み取れなくなることがないように、

公文書用の朱肉を使っていただいております。


画像


ちなみにこの朱肉、やはり普通の朱肉よりお値段は張ります。

ですが、印影の鮮やかさが段違いです。

ただし、速乾性には劣るので、日常の業務にはあまり用いません。

遺言書のようなすぐに封印して保存するようなもの向きです。



日常の押印は、速乾性重視の朱肉を使います。

朱肉を使い分ける仕事、というのもまだ残っていたりするんですね。



ともあれ、せっかく専門家の所にお越しいただくからには

内容を十分練り込むことはもちろんのこと、

保存のあり方まで考えることで

ご依頼人の思いに応えたいという気持ちがあります。



人生の最後に使う書類を作るお手伝いをするわけですから

身の引き締まる思いがするのは半ば必然かもしれません。



遺言書の保管制度もありますし、

場合によっては公正証書遺言を作成することをお勧めするケースもありますが

いずれにしても、まずご本人様のお気持ちを伺うことが最優先の業務です。

十分なヒアリングを行っていきますのでお時間は多少いただきますが

まずはお問い合わせください。






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