2022年11月16日(水)
飲食店を開業する前に
行政書士業務×164
コロナウィルス感染症は依然として終息の気配を見せませんが、世の中は少しずつウィズコロナの時代に移りつつあるようです。
それに伴って、飲食業の開業のご相談が少しずつ増えてきました。コロナ禍で閉店、廃業を余儀なくされた飲食店の物件の中には好立地、好条件のものも少なくありませんから、そこを居抜きで借りて始めようという方もいるのだろうと思います。
ですが、開業に際しては、コロナ前と違った視点での検討が必要になるケースも多いので、少しそれについて触れてみようと思います。
① お客様の動向は、コロナ前と同じではない
一番顕著な傾向ですが、忘年会、新年会、パーティなどの大規模な宴会は依然として低調だと思われます。少なくともコロナ禍以前の水準には遠く及ばないと思います。
お酒を飲む会であっても、多くても10人弱になっており、数十人単位での宴会は少ないのが実態です。大規模宴会は飲食業にとってはとても大きな収入源ですが、それを当て込む形での物件選択をする場合、大規模宴会を可能にする広さになるわけですから、当然固定費の負担は大きくなります。人がやらないことをするのはビジネスの基本ではありますが、リスクも増大します。
② HACCPの視点を取り入れる必要がある
設備として義務化されているものと、HACCPの考え方をもとに導線やオペレーションを決める必要があるものと、業種、業態、経営方法によって様々な検討が必要です。例えば、水道のコックに関しては、レバー式や自動で水を出す仕組みが必要になったりします。飲食業の許可取得の際に保健所から指摘が入ると改装改築が必要になることもありますので、事前の検討が必要です。
③ 禁煙になっていることに注意
2021年4月以降、飲食店や公共施設などの人が集まる場では喫煙することができません。それまで喫煙可能であった店舗に限り、期限までの届出をもって喫煙を継続させることは可能ですが、新規開業の場合はたとえ居抜きであっても禁煙です。
喫煙を可能としたければ、喫煙室などを設けるか、たばこ販売の許可を取得する必要があります。喫煙室を設ける場合には、空気の流入量などを計測したり仕切りを設けたりする必要があります。いずれにしてもその分費用はかかりますので、あらかじめ計算に入れて進めることが必要です。
④ いろいろ値上がりしています
食材、調味料、飲料など、ほとんど全て値上がりしています。全てを価格に反映させられればいいですが、競合他店との関係もあります。ご経験の長い方ほど、これまでの経験を元にいろいろ決めますが、原価率の計算など、事前の想定と異なってくることもあるかと思います。市場調査が不十分ですとすぐに採算に響きます。
⑤ 物件の修理改築には時間も費用もかかります
業務用エアコンなどによくあることですが、備品が故障した際にすぐに直るとは限りません。コロナ禍、ウクライナ戦争などの影響で半導体不足は顕著です。資材の高騰もありますが、部品の取り寄せに数ヶ月かかることもあります。特に古い物件などを賃貸する場合は気を付けた方がいいでしょう。
⑥ テイクアウトなどへの対応
これもウィズコロナに関連しますが、テイクアウトを行う場合、容器のことやオペレーションのことをきちんと決めておかないと、思わぬリスクを負うことになります。目の前でお客様が食べる業態と異なり、飲食物が自分の目の届く範囲から外れるというのは想像以上に怖いことです。軽く考えて良い物ではありませんのでこちらも十分な事前検討が必要だろうと思います。
飲食店は参入障壁が低く、比較的簡単に始められるイメージですが、生存競争は熾烈です。利益率も決して高くありません。しっかり検討してからの開業が吉です。当事務所でもご相談には随時応じております。
それに伴って、飲食業の開業のご相談が少しずつ増えてきました。コロナ禍で閉店、廃業を余儀なくされた飲食店の物件の中には好立地、好条件のものも少なくありませんから、そこを居抜きで借りて始めようという方もいるのだろうと思います。
ですが、開業に際しては、コロナ前と違った視点での検討が必要になるケースも多いので、少しそれについて触れてみようと思います。
① お客様の動向は、コロナ前と同じではない
一番顕著な傾向ですが、忘年会、新年会、パーティなどの大規模な宴会は依然として低調だと思われます。少なくともコロナ禍以前の水準には遠く及ばないと思います。
お酒を飲む会であっても、多くても10人弱になっており、数十人単位での宴会は少ないのが実態です。大規模宴会は飲食業にとってはとても大きな収入源ですが、それを当て込む形での物件選択をする場合、大規模宴会を可能にする広さになるわけですから、当然固定費の負担は大きくなります。人がやらないことをするのはビジネスの基本ではありますが、リスクも増大します。
② HACCPの視点を取り入れる必要がある
設備として義務化されているものと、HACCPの考え方をもとに導線やオペレーションを決める必要があるものと、業種、業態、経営方法によって様々な検討が必要です。例えば、水道のコックに関しては、レバー式や自動で水を出す仕組みが必要になったりします。飲食業の許可取得の際に保健所から指摘が入ると改装改築が必要になることもありますので、事前の検討が必要です。
③ 禁煙になっていることに注意
2021年4月以降、飲食店や公共施設などの人が集まる場では喫煙することができません。それまで喫煙可能であった店舗に限り、期限までの届出をもって喫煙を継続させることは可能ですが、新規開業の場合はたとえ居抜きであっても禁煙です。
喫煙を可能としたければ、喫煙室などを設けるか、たばこ販売の許可を取得する必要があります。喫煙室を設ける場合には、空気の流入量などを計測したり仕切りを設けたりする必要があります。いずれにしてもその分費用はかかりますので、あらかじめ計算に入れて進めることが必要です。
④ いろいろ値上がりしています
食材、調味料、飲料など、ほとんど全て値上がりしています。全てを価格に反映させられればいいですが、競合他店との関係もあります。ご経験の長い方ほど、これまでの経験を元にいろいろ決めますが、原価率の計算など、事前の想定と異なってくることもあるかと思います。市場調査が不十分ですとすぐに採算に響きます。
⑤ 物件の修理改築には時間も費用もかかります
業務用エアコンなどによくあることですが、備品が故障した際にすぐに直るとは限りません。コロナ禍、ウクライナ戦争などの影響で半導体不足は顕著です。資材の高騰もありますが、部品の取り寄せに数ヶ月かかることもあります。特に古い物件などを賃貸する場合は気を付けた方がいいでしょう。
⑥ テイクアウトなどへの対応
これもウィズコロナに関連しますが、テイクアウトを行う場合、容器のことやオペレーションのことをきちんと決めておかないと、思わぬリスクを負うことになります。目の前でお客様が食べる業態と異なり、飲食物が自分の目の届く範囲から外れるというのは想像以上に怖いことです。軽く考えて良い物ではありませんのでこちらも十分な事前検討が必要だろうと思います。
飲食店は参入障壁が低く、比較的簡単に始められるイメージですが、生存競争は熾烈です。利益率も決して高くありません。しっかり検討してからの開業が吉です。当事務所でもご相談には随時応じております。
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