2023218(土)

議事録作成のススメ


企業規模の大小を問わず、どこの会社、どこの組織でも会議はあります。売上報告や営業目標設定、人事管理など各部署で議案はたくさんあることでしょう。

日本の会議は長い、とよく言われますが、その理由に
「議案を事前に共有しない」
「議事録を作成しない」
ことが挙げられます。議案が事前に共有されないから、議席についてから議案を確認しなければいけません。その確認に30分かかる、などということはざらです。

さらに、議事録を適切に作成しないことによって、数多くのデメリットを生じさせます。挙げてみましょう。

① 言った言わないの話が出る
これは言うまでもないですね。後日になってから、言った言わない、聞いた聞いていないの揉め事はそこらじゅうで発生します。このためだけに議事録を作る意味があると言っても過言ではありません。

② 数字や期日の勘違い、誤認識が発生する
例えば、納期や締め日などで2つ以上の期日が議案に出た場合、それを取り違えて記憶することは誰にでも起こり得ます。聞き違い、認識間違い、理由は様々ですが、時として大ダメージを受けることに繋がりかねません。

かつて、ジェイコムという会社が新規上場したときに、証券会社が「1株」を「61万円」で売る、という注文すべきところを「1円」で「61万株」売ると注文してしまい、400億円という大損害が発生した事案があります。もちろんこれは議事録の問題ではありませんが、出席者が個々にメモを取るということにはそれに近いリスクがあります。

③ 議案審議が混ざる
会議でやってはいけないことの一つに、「1つの審議事項の結論が出る前に次の審議事項に入る」ということがあります。議事録を取っていないと、「ちょっと待った」をかけられなくなります。一度結論の出た話の蒸し返しも同様ですね。

④ ハラスメント、感情的な発言が生まれる
セクハラ、パワハラといったことが起きるリスクがあるのはもちろんのこと、議論が白熱すると感情的な発言が出たりします。議事録があればそういった行動にブレーキがかかりますが、残していないとそういう「いやな記憶」だけが残って改善できなくなります。

⑤ 持ち越すとした継続審議を忘れる
議長も人間ですから忘れることはあります。「この件は後で」としていったん保留したことも、その他の議案審議の展開次第で、結論を出さないままに会議を終えてしまうことに繋がっていきます。

こうしたことは、人的リソースの割けない中小企業だと頻繁に起こります(残念ながら、大きな企業でもこうしたことは起こり得ます)。議事録作成にはコツ、ノウハウがあり、担当者育成も一朝一夕にはいかないものでもあります。

有意義な会議にしていくことが、業務の効率化、生産性向上のカギになったりします。プロに外注できるなら外注も手です。当事務所でも、NDA(秘密保持契約)を締結してから会議に参加して議事録を作成するお手伝いは承ります。お試しで1回呼ぶ、といったことでも構いませんのでご検討ください。






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