行政書士業務(164)


2023316(木)

スピード対応


自動車の登録はスピードが求められることがしばしばあります。

納車の日程は決まっているのに、買主からの必要書類がなかなか届かなかったりすると、当然後ろのスケジュールがタイトになります。大昔、学生時代にアルバイトしていたラジオ局では、そういう状態を「ケツカッチン」と言っていましたが、あまりお上品な言葉ではないので、このお仕事ではそういう表現は使いません。

3月は特にそういうご依頼が多いです。決算期日が関わってきますから、自動車販売店も書き入れ時です。

「今日書類がそろったので、今から発送します。明日の午前着くはずですので、明後日の午前着でお願いできるでしょうか」

などというご依頼もわりとあります。その時点で予定が埋まっていると、他の事務所をご紹介せざるを得ませんが、せっかくのご依頼ですので基本的には何とか調整してお受けしています。

当事務所に午前着で届く場合はだいたい10時過ぎなので、そこから運輸支局まで走って登録して戻って発送、ということになります。夕方までに発送すれば札幌なら翌日午前中に届くはずですが、やはり余裕を持って発送したいので、午前中発想を目標にしています。

自動車の登録書類には、委任状や税申告書などいろいろありますが、全ての書類を作成するのに急いでも30分くらいはかかります。譲渡証明書など、書き損じが許されない書類もありますので、そう雑なことはできません。あらかじめ記入してきてくれることもありますが、忙しい時期は日付や住所などが空欄のまま、ということも珍しくはありません。

書類の代理作成が行政書士のお仕事ですので、それ自体は何も問題ないのですが、急ぎの時は事前に車検証や登録事項通知書などをFAXや写メで送っていただけると泣いて喜びます。あらかじめ作れる書類を作っておけるだけで心の余裕が大幅に違います。

10時過ぎに届いて書類作成に30分かかると、登録がスムーズに終わっても発送するのは12時近いです。12~13時は運輸支局の窓口は閉まってしまいますので、それまでには何としても書類を提出する必要があります。うっかり遅れると大変です。

ですので、これをお読みの皆様も、行政書士に自動車の登録を依頼するときは事前に車検証をFAXか写メしてあげてください。



202331(水)

許可証を見てみよう


世の中には、数え切れないくらいの許認可があります。

有名なところでは、飲食業の営業許可や建設業許可、古物商許可などがあります。ちょっとマイナーなものだと、河川の砂利採取の許可なんてものもあったりします。


十勝では珍しくない農地転用の許可も、都会だとそれほど多くなかったりもします。あるいは、飲食業と似ていても、惣菜製造やパン製造などは別の許可が必要だったりします。たばこやお酒の販売は許可ではなく免許と呼びますが、これもやはり誰でもいつでも始められるビジネスではありません。


我々行政書士は、そういった許認可取得のお手伝いをしていくのがお仕事なのですが、許認可は取得したら終わりというものではないことには注意が必要です。


許可に期限があるものについては、期限内に更新の手続きをしないと失効してしまいますし、引っ越して住所が変わったり、役員が替わったり、名前が変わったりしたら変更の手続きが必要になります。


古物商やレンタカー業の許可は期限がないので更新の必要もありませんが、建設業や宅建業は、許可の期限は5年間です。令和5年3月1日に許可が出たら、令和10年2月28日までが期限です。


では更新の手続きはいつまでにするのかというと、それも期限が決まっています。遅すぎても早すぎてもいけないということになります。


建設業や宅建業は、許可満了日の90日前から30日前までに更新手続きをしないといけません。満了日までではないことは気をつけないといけません。


飲食業の場合は5~8年間の期限となっており、それぞれの事業者によって異なるので、そこにも注意が必要ですが、何より気をつけないといけないのは、食品衛生法が改正されて、今現在、営業許可を持っていても、


次の更新時には「新規に取得」しないといけない


ということです。飲食業の許可手続きに要する日数は、取得までおよそ2週間とされているので、こちらも気をつけて管理しないといけませんし、場合によっては設備や構造で引っかかることもあり得るということになります。


特にHACCPについては老舗ほど気をつけないといけないかもしれません。


いずれにしても、期限を過ぎてしまうと営業できません。手続きの間に営業してしまうと、無許可営業として罰則を科せられることになります。許可を取得して一安心、という気持ちはとてもよく分かりますが、許可証はきちんと確認して、期限管理していきましょう。


取得だけでなく、更新手続きももちろん行政書士業務です。期限管理も含めてお任せいただけます。



2023218(土)

議事録作成のススメ


企業規模の大小を問わず、どこの会社、どこの組織でも会議はあります。売上報告や営業目標設定、人事管理など各部署で議案はたくさんあることでしょう。

日本の会議は長い、とよく言われますが、その理由に
「議案を事前に共有しない」
「議事録を作成しない」
ことが挙げられます。議案が事前に共有されないから、議席についてから議案を確認しなければいけません。その確認に30分かかる、などということはざらです。

さらに、議事録を適切に作成しないことによって、数多くのデメリットを生じさせます。挙げてみましょう。

① 言った言わないの話が出る
これは言うまでもないですね。後日になってから、言った言わない、聞いた聞いていないの揉め事はそこらじゅうで発生します。このためだけに議事録を作る意味があると言っても過言ではありません。

② 数字や期日の勘違い、誤認識が発生する
例えば、納期や締め日などで2つ以上の期日が議案に出た場合、それを取り違えて記憶することは誰にでも起こり得ます。聞き違い、認識間違い、理由は様々ですが、時として大ダメージを受けることに繋がりかねません。

かつて、ジェイコムという会社が新規上場したときに、証券会社が「1株」を「61万円」で売る、という注文すべきところを「1円」で「61万株」売ると注文してしまい、400億円という大損害が発生した事案があります。もちろんこれは議事録の問題ではありませんが、出席者が個々にメモを取るということにはそれに近いリスクがあります。

③ 議案審議が混ざる
会議でやってはいけないことの一つに、「1つの審議事項の結論が出る前に次の審議事項に入る」ということがあります。議事録を取っていないと、「ちょっと待った」をかけられなくなります。一度結論の出た話の蒸し返しも同様ですね。

④ ハラスメント、感情的な発言が生まれる
セクハラ、パワハラといったことが起きるリスクがあるのはもちろんのこと、議論が白熱すると感情的な発言が出たりします。議事録があればそういった行動にブレーキがかかりますが、残していないとそういう「いやな記憶」だけが残って改善できなくなります。

⑤ 持ち越すとした継続審議を忘れる
議長も人間ですから忘れることはあります。「この件は後で」としていったん保留したことも、その他の議案審議の展開次第で、結論を出さないままに会議を終えてしまうことに繋がっていきます。

こうしたことは、人的リソースの割けない中小企業だと頻繁に起こります(残念ながら、大きな企業でもこうしたことは起こり得ます)。議事録作成にはコツ、ノウハウがあり、担当者育成も一朝一夕にはいかないものでもあります。

有意義な会議にしていくことが、業務の効率化、生産性向上のカギになったりします。プロに外注できるなら外注も手です。当事務所でも、NDA(秘密保持契約)を締結してから会議に参加して議事録を作成するお手伝いは承ります。お試しで1回呼ぶ、といったことでも構いませんのでご検討ください。



2023210(金)

自動車の名義変更・抹消はお早めに


自動車の名義変更・抹消はお早めに

毎年のことですが、年度末になると自動車の登録窓口はとても混雑します。

理由は大きく3つ。

① 自動車メーカーの決算期で販売に熱が入る

自動車メーカー、販売店に限らず、多くの会社は3月に決算期を迎えます。4月から新年度になるわけです。もちろん12月決算の会社も9月決算の会社もあるのですが、そういう会社も「上半期」「上四半期」で一つの区切りだったりするので、そこの実績というのがわりと重視されることになります。

そうなると、登録台数が増えますから、窓口に来る人も当然増えることになります。半導体不足と言われますが、中古車市場も活発ですから、今年も同じ傾向になるでしょう。

② 引っ越しシーズンで転居が多い

新年度ですから、新しく転入してきた方、転出される方のどちらも多い時期です。自動車の車検証の記載事項は転出入があった日から15日以内というのが期限ですので、きちんと手続きをしようとするとこの時期になってしまいます。コンプライアンスの面でもあまりいいことではありませんので、ちゃんとしておくのが吉です。

転居しても前の住所のままの方も割といらっしゃいますが、一応違反であると同時に、次の引っ越しがあると、譲渡や廃車の時に必要書類が増えてしまいますのでご注意ください。

③ 自動車税(種別割)の年度締めが3月末日である(賦課期日が4月1日である)

自動車にかかる税金の大きなものに「自動車税(種別割)」というものがあります。これは4月1日時点で自動車を所有している人が対象ですから、譲渡するにしても廃車するにしても3月中に手続きをしておかないと課税されてしまいます。

使わない車を廃車にするならもっと早くから手続きをしておけばいいのですが、どうしても年度間際になることが多いものです。

気を付けておきたいのは、廃車手続きをする際には、車検証やナンバープレートを返納しないといけないのですが、ナンバープレートの封印を外した後で書類不備があるとその日のうちに手続きが完了しないということがあります。その場合、封印を外した車は、車検の有効期間があっても公道を走ることが禁じられますので、注意が必要です。

また、廃車にする車は得てして古い車が多いので、ナンバープレートのネジが錆びついていて外せないケースがしばしばあります。ネジ山をナメてしまうとドライバーでは外せませんし、錆で固着してしまうとそう簡単には外れずに、場合によっては折れてしまうことがあります。我々行政書士でも専用の工具を使いますが、それでも折れてしまうと業者を呼ぶしかないケースがあります。

盗難防止の特殊ネジも同様です。ご注意ください。

もう一つ気を付けたいのは、

「車庫証明はその日には取れない」

ということです。

これは毎年必ずいらっしゃるのですが、名義変更や住所変更に運輸支局に来た方で、車庫証明を取らずに手続きをしようとされる方がいます。

月曜日に車庫証明書を申請すると最短でも水曜日です。くれぐれもご注意ください。

いずれにしても、手続が終わらないと当然課税対象になるので、早めに手続きを済ますことをお勧めします。


行政書士会でも年度末は無料相談窓口を設けて、運輸支局の混雑緩和に協力させていただいていますが、それでも混みますので、面倒な方は最初から行政書士にご依頼いただいた方が無難です。1日潰して不備があって出直し、とか手続き終わらなくて結局課税、とか胸が痛いので。



202322(木)

行政書士会無料相談会のご案内


毎年2月22日は「行政書士記念日」になっています。
昭和26年2月22日に、行政書士法が公布されたことにちなんだものです。

行政書士法の第1条にはこうあります。

「第一条 この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資することを目的とする。」

国民の権利利益の実現に資するということです。

権利というのは主張しないと実現しないという側面があります。黙ってじっとしているというのは、ある意味で「権利の上に眠る者」と解されて、時効にかかって消滅してしまったりします。お金を返してくれない人に対して、催促しないで放置していると、時効を主張されて(時効を援用されるといいます)返してもらえなくなってしまったりします。逆に、時効を援用できる権利があっても、自分からそれを主張しないと認められないということでもあります。

そういった国民の皆さんの権利を実現していくためには、一定の様式に沿って主張しないといけなかったりするわけです。行政手続きは、その様式が非常に細かく分かれていて、パッと見ても分からないために、我々行政書士が専門家としているということになります。

もちろん、行政書士では手に負えないものもあります。税金や登記などは極めて専門性が高い分野ですので、それぞれ税理士さん、司法書士さんでないと相談に乗れません。訴訟もそうですね。

ですが、判断そのものに迷うケースも多々ありますので、お困りごとはまずご相談していただければと思います。適切な専門家におつなぎできます。

困りごとがあるのに、相談そのもののハードルが高いというのは、個人的にも何度も見てきました。なんだか委縮してしまうとか、いくらかかるかわからないとか、不安になりますよね。

そういった方は、無料の相談会がありますので、ぜひご利用ください。2月22日、行政書士の日にとかちプラザ(帯広市西4条南13丁目1番地、帯広駅南口徒歩2分)の1階で無料相談会を実施します。

北海道行政書士会十勝支部 無料相談会外部リンク

相談員として、私もこっそり参加しています。



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行政書士法人とかちパートナーズ
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