2015年8月16日(日)
お盆に読んだ本 その1
筒井淳也『仕事と家族 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』中公新書2015年
同書は時間的・空間的に広い視野から「仕事と家族」のあり方を捉えることを通じて、現在の日本社会が抱える問題によりよい見通しをもって対処できるよう必要な知識を提示することを目的として書かれています。結論として、日本社会がとるべき方針は、分厚い社会保障のもとでの福祉社会でもなければ、徹底した規制緩和のもとでの競争社会でもない。目標として捉えるべきは、労働力と出生力の維持・拡大であり、社会保障はこれらの結果可能になるものだし、規制緩和もそれが労働力と出生力を低下させるようであれば抑制されなければならないとしています。
私は同書の以下の箇所が卓見だと思いました。
第4章 お手本になる国はあるのか?
・労働力を増やすためには女性、外国人、高齢者を労働市場に組み入れるしかないし、あわせて日本のサラリーマンに浸透した「専業主婦のいる男性の働き方」を変えるしかない。(同書より)
・国の行く末について合意形成を模索することの重要性は、決して軽視すべきではない。働き方や社会保障制度の改革が急務だからといって、合意形成という回り道をせずに特定の政治家を信任しすぎるようなことがあれば、これまでのようないきあたりばったりの制度づくりになってしまうだろう。(同書より)
第5章 家族と格差のやっかいな関係
・働き方や家事労働についての社会学の研究がこれまで男女平等やジェンダーの観点からなされてきたために、テクニカルな分析が手薄であったのではないか、と考えている。欠けているのは、いってみれば「効率性」の視点である。家事分担が不公平になってしまうのは、もちろん働き方や保守的な分業意識の影響も強いのだが、スキルの欠如、希望水準のすり合わせ、およびそれにともなう負担といった、より「ビジネス」的な課題をクリアしていくことが必要なのだ。(同書より)
同書が労働力形成や家族と学校教育の現状について論じていればさらによかったと思いました。
同書は時間的・空間的に広い視野から「仕事と家族」のあり方を捉えることを通じて、現在の日本社会が抱える問題によりよい見通しをもって対処できるよう必要な知識を提示することを目的として書かれています。結論として、日本社会がとるべき方針は、分厚い社会保障のもとでの福祉社会でもなければ、徹底した規制緩和のもとでの競争社会でもない。目標として捉えるべきは、労働力と出生力の維持・拡大であり、社会保障はこれらの結果可能になるものだし、規制緩和もそれが労働力と出生力を低下させるようであれば抑制されなければならないとしています。
私は同書の以下の箇所が卓見だと思いました。
第4章 お手本になる国はあるのか?
・労働力を増やすためには女性、外国人、高齢者を労働市場に組み入れるしかないし、あわせて日本のサラリーマンに浸透した「専業主婦のいる男性の働き方」を変えるしかない。(同書より)
・国の行く末について合意形成を模索することの重要性は、決して軽視すべきではない。働き方や社会保障制度の改革が急務だからといって、合意形成という回り道をせずに特定の政治家を信任しすぎるようなことがあれば、これまでのようないきあたりばったりの制度づくりになってしまうだろう。(同書より)
第5章 家族と格差のやっかいな関係
・働き方や家事労働についての社会学の研究がこれまで男女平等やジェンダーの観点からなされてきたために、テクニカルな分析が手薄であったのではないか、と考えている。欠けているのは、いってみれば「効率性」の視点である。家事分担が不公平になってしまうのは、もちろん働き方や保守的な分業意識の影響も強いのだが、スキルの欠如、希望水準のすり合わせ、およびそれにともなう負担といった、より「ビジネス」的な課題をクリアしていくことが必要なのだ。(同書より)
同書が労働力形成や家族と学校教育の現状について論じていればさらによかったと思いました。
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