2016年3月17日(木)
今の沖縄を知るための1冊
櫻澤 誠『沖縄現代史』中公新書 2015年
沖縄が辿った戦後約70年の通史。下記のような構成です。
まえがき
第1章 「沖縄戦」後の米国占領 1945~52
第2章 「島ぐるみ」の抵抗 1952~58
第3章 沖縄型高度経済成長1958~65
第4章 本土復帰へ1965~72
第5章 復帰/返還直後-革新県政の苦悩1972~78
第6章 保守による長期政権-変わる県民意識1978~90
第7章 反基地感情の高揚-「島ぐるみ」の復活1990~98
第8章 「オール沖縄」へ-基地・経済認識の転換1998~2015
あとがき
いまだに大きい保革対立のなかで、2010年4月25日に開催された「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」の頃から「島ぐるみ」に代わり、「オール沖縄」の呼称が一般的になってきました。このことをどのように理解したらいいのかという問題を考えるための最適な作品であると思います。
その手掛かりとして「構造的差別」という言葉が沖縄社会で頻繁に用いられるようになったことがあげられるのではないかと同書を読んで学びました。沖縄現代史研究者の新崎盛暉さんによれば、「構造的沖縄差別とは、対米従属的日米関係の矛盾を沖縄にしわ寄せすることによって、日米関係(日米同盟)を安定させる仕組みである」としています。
翁長雄志知事を含め、沖縄保守政治家は、沖縄県が日本の一員、一地域であることを前提とし、日米同盟の重要性を認め、必要な基地については同意する立場をとっています。その上で、合理性のない不必要な基地の整理縮小を求めてもいます。
沖縄の人々の「沖縄人」そして「日本人」としてのアイデンティティを理解するためにも櫻澤 誠氏の「沖縄現代史が辿った道のりを、可能な限り偏見をもたず、直視することが重要なのである。」という主張に賛同しました。
沖縄が辿った戦後約70年の通史。下記のような構成です。
まえがき
第1章 「沖縄戦」後の米国占領 1945~52
第2章 「島ぐるみ」の抵抗 1952~58
第3章 沖縄型高度経済成長1958~65
第4章 本土復帰へ1965~72
第5章 復帰/返還直後-革新県政の苦悩1972~78
第6章 保守による長期政権-変わる県民意識1978~90
第7章 反基地感情の高揚-「島ぐるみ」の復活1990~98
第8章 「オール沖縄」へ-基地・経済認識の転換1998~2015
あとがき
いまだに大きい保革対立のなかで、2010年4月25日に開催された「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」の頃から「島ぐるみ」に代わり、「オール沖縄」の呼称が一般的になってきました。このことをどのように理解したらいいのかという問題を考えるための最適な作品であると思います。
その手掛かりとして「構造的差別」という言葉が沖縄社会で頻繁に用いられるようになったことがあげられるのではないかと同書を読んで学びました。沖縄現代史研究者の新崎盛暉さんによれば、「構造的沖縄差別とは、対米従属的日米関係の矛盾を沖縄にしわ寄せすることによって、日米関係(日米同盟)を安定させる仕組みである」としています。
翁長雄志知事を含め、沖縄保守政治家は、沖縄県が日本の一員、一地域であることを前提とし、日米同盟の重要性を認め、必要な基地については同意する立場をとっています。その上で、合理性のない不必要な基地の整理縮小を求めてもいます。
沖縄の人々の「沖縄人」そして「日本人」としてのアイデンティティを理解するためにも櫻澤 誠氏の「沖縄現代史が辿った道のりを、可能な限り偏見をもたず、直視することが重要なのである。」という主張に賛同しました。
コメント(0件) | コメント欄はユーザー登録者のみに公開されます |
コメント欄はユーザー登録者のみに公開されています
ユーザー登録すると?
- ユーザーさんをお気に入りに登録してマイページからチェックしたり、ブログが投稿された時にメールで通知を受けられます。
- 自分のコメントの次に追加でコメントが入った際に、メールで通知を受けることも出来ます。