2015年5月24日(日)
美しい日本語
吉野弘さんはこの作品のみ著作権フリーにしています。吉野弘『二人が睦まじくいるためには』童話屋2003年
祝婚歌 (風が吹くと) 吉野弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
祝婚歌 (風が吹くと) 吉野弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
2015年5月22日(金)
力餅
日頃は無視されっぱなしの書籍棚にある、藤村全集第十巻(筑摩書房)のページをなにげなくめくってみました。この1月のとても寒い日の夕方に急逝した父が買った本で、昭和42年8月10日発行とあります。「力餅」という作品のはしがきに下記のような文章がありました。
「わたしたち一生の旅の間には、いくつかの峠も待っています。あまりお腹がすいていては、険しい路のよぢのぼれるものでもありません。いささかの力餅が、さういふ時のわたしたちを力づけて呉れます。まあ、この小さな本は、わたしが皆さんのために用意した力餅で、ほんのこころざしばかりの贈り物なのです。」
昭和15年秋に、藤村が69歳の時に書いた文章とのことです。
みなさんは、人生の峠でどんな力餅で険しい路をよぢのぼりましたか?
「わたしたち一生の旅の間には、いくつかの峠も待っています。あまりお腹がすいていては、険しい路のよぢのぼれるものでもありません。いささかの力餅が、さういふ時のわたしたちを力づけて呉れます。まあ、この小さな本は、わたしが皆さんのために用意した力餅で、ほんのこころざしばかりの贈り物なのです。」
昭和15年秋に、藤村が69歳の時に書いた文章とのことです。
みなさんは、人生の峠でどんな力餅で険しい路をよぢのぼりましたか?
2015年5月21日(木)
よい本でした
2015年5月20日(水)
今朝気づいたことです
2015年5月19日(火)
哲塾のページを開設します
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